アイアンマン台湾2016を完走したのでもろもろ記録しておきます。来年も澎湖(ポンフー)のようですし、なにかの参考になれば。
私にとっては初めての台湾、初めての飛行機輪行、初めてのフルアイアンマン。
最高にキツかったですが、最高に面白かったです。
ap.ironman.com
トレーニング
昨年にセントレアのアイアンマン70.3を完走し、フルは今回が初。
小さい子供がいるのであんまりガッツリ時間とるトレーニングはできないので、短い時間でもキッチリ追い込むトレーニングをしっかり継続することを心がけた。また、体幹やボディコントロールを鍛える必要性を感じていたので、ヨガとダンスに通った。毎月数百km走った、とか何十km泳いだ、というよく聞く目安とは違うけど、これを毎週こなしきればイケる(完走できる)はずだ、という謎の確信があった。
ほとんどこれだけ。これだけですが、これだけは今年はじめから、雨が降っても風が吹いても、毎週ひたすらキッチリ追い込んでやり続けました。
バイク運び
バイクを台湾離島の澎湖まで運ぶのは、ggったり人に聞いたりするといろいろな方法があるようだけど、「サイクリングの本場のヨーロッパ人は飛行機もふつうの輪行袋でいっちゃう」という話を聞いてすっかりその気になり、ふつうの輪行バッグでいくことを決意。
これをゲット。
まず自転車を普通にたたむ。フレームとホイールの間にはダンボールをはさんでおきます。
揺れをふせぐために、サランラップを一本つかってグルグル巻きにして固定します。フロントフォークにも段ボール巻いておきました。
輪行バッグの形状に合わせてダンボールを切って箱の底をつくります。
いれます。
両脇にダンボールをはさみます。
完成!
飛行機
日本から澎湖島への直行便はないので、台湾での乗り換え必須。澎湖島の馬公空港に飛んでる航空会社は5社。このうち、立栄航空、ファーイースタン航空、徳安航空はインターネットサイトみても中国語の情報しかなくて、よくわからないし無理に予約しても結局その後につまづきそうなので、英語サイトが用意されていたトランスアジア航空とマンダリン航空を候補に。
トランスアジアは日本語での電話問い合わせ番号があったのでまずここに電話して聞いてみたら、馬公空港にいく国内線は飛行機が小さいので、バイクの預け荷物を受け付けてくれないとのこと。
マンダリンには問い合わせ先がみつからないのでどうしようと思っていたら、facebookページを発見。
https://www.facebook.com/mda.aero
facebookのメッセージ機能で英語で問い合わせを投げてみたら、わりとすぐ返事がきて、何度かやりとりするうちに、馬公空港にいく国内線でもバイク荷物を受け付けてくれることがわかった。
というわけで、台北-澎湖はマンダリンに決定。グループ会社にしといた方がなんかあったとき話が通じやすいんじゃないかと期待して、東京-台北の飛行機はマンダリンの親会社のチャイナエアラインに決定。
それぞれ、航空会社のインターネットサイトからチケット予約した。
宿
Airbnb で物色。澎湖島内でバックパッカー向けのドミトリーというかシェアルームみたいなのがけっこうみつかります。レース会場まで歩いていけるここを予約。
www.airbnb.jp
中国語オンリー、日本語はもちろん英語も伝わらないホストさんでしたが、親切に、辛抱強く、伝わらないのも楽しみながらコミュニケーションしてくれて、すごく良かったです。二人でスマホを持って、Google翻訳を介してなんとか意志疎通したのも良い思い出。オススメ。
一階。自転車の組み立てとかここでやらせてもらった。
部屋はこんな感じ。ダブルベッドが2つおいてある部屋が2つ。混んできたら他人同士がダブルベッドに寝るのかもしれないけど、私のいた期間は私の他には男性が一人きただけで、同じ部屋だが違うベッドをそれぞれつかった。
浴室。ユニットバス的なノリで浴槽?の中に立って洗った。風呂は栓がないのでお湯ためるわけではないと思うが、頭を置くっぽいところがあったり、底が微妙に腰と脚を置きやすいような椀形状になってたりするんだよなー、どうやって入るのが正解なんだろ。
裏口に水道があって、レース後のウェットスーツとかはここで洗わせてくれた。
通信
ここのモバイルルータを借りていきました。
www.globaldata.jp
羽田受取、羽田返却ができて1日600円以外の余計な(運送料などの)手数料がかからないし便利。台湾全土といいながらホントに離島のポンフーでも通信できるのか若干心配でしたが(窓口で聞いたら「使用実績があまりないのでわからないが、クレームはきていないのでたぶん大丈夫だと思う」といわれた)、無問題で通じました。
余談ですが、台湾からLineのメッセージは普通に使えるけどツムツムがログインエラーになってできませんでした。地域制限かけてるんでしょうか。なんのために?
現地での生活
トイレは、紙は便器に流さずにゴミ箱に捨てるのが台湾ルール。
水道水は、飲まないのが台湾ルール。飲み水は買います。いろいろみて回った感じ、スーパーで売ってたこれが安かったかな。
台湾でコンビニいくと必ず売ってるゆでたまご。コンビニを支配する強烈な匂いのわりには、あんまり珍しい味がするわけでもなく、まあ煮玉子。
ごはんはだいたい地元民しかいない系の定食屋みたいなのにいってました。50-80元(150-250円くらい)で普通に一食たべられます。
このお店はいった。
中はこんな感じ。壁になんかやたら落書きが書いてある。
漁師の町だからか、朝早く、というか夜中から早朝にかけてやってる定食屋もけっこうある。ここには朝五時くらいに入った。
メニュー
中はこんな感じ。道側でテイクアウト版も売ってる。
ここもいい感じでした。子供が宿題かなんかやってる。
町をうろうろしていると、やたらいろんなところに像が立ってるのが目についた気がする。
漁師
漁師
サーファー
謎の生物
たぶんイルカ
お、なんだあの精巧な自転車乗りは、と思ったら…
アインシュタイン。なんか関係あるんでしょうか。
赤と緑のポスト
あと「KTV」っていうのもやたら目についたんだけど、ようするにカラオケボックスらしい。
こういう廃れた建物もけっこう目につく。これももとKTV。
道端に無造作に干されているタコ
カタツムリでかすぎる
スーパーあった
日本語が目を引くジャワカレーとか。ただタイトルが日本語なだけで、よくみるとパッケージの他の文は中国語。
一番搾り。やす!一本100円じゃん。なんでなの
レジは日本と同じような雰囲気
前日早朝で誰もいない、ゴールを待つフィニッシュゲート
アイアンマンのメイン会場になる澎湖体育館。
アイアンマンEXPO
アイアンマン名物・参加者全員の名前入りグッズ。自分の名前もみつけました。
バイクチェックイン。いよいよだな、相棒。
スタート地点。チガジョグTシャツを着て記念写真。
日本語ブリーフィング
アイアンマンオフィシャルのウェルカムパーティー
10人くらいの知らない中国人卓にいれてもらって楽しくおしゃべり。半分くらいは英語でしゃべってくれたけど半分は中国語オンリーで全く何言ってるかわからんw。隣にいたのは普段はデキるビジネスマンなんだろうな風な上海の中国人。フルアイアンマンのことを226(トゥートゥーシックス)、ハーフ(70.3)のことを113(ワンワンスリー)といっていたのがわかりやすかったしかっこよかった。私も今度から日本語でフルアイアンマンのことを「ニーニーロク」、70.3のことを「イチイチサン」といおうかなと思います。
台湾には、アイアンマン以外にもチャレンジというロングディスタンスの大会があるらしい。アイアンマンはアメリカ由来だけど、チャレンジはヨーロッパ由来なんだって。そっちも雰囲気良いぜ、お前もでろよ、っていわれた。
どこのブランドのバイクのってるんだ?という話になり、ビアンキ、といったら伝わらなかったが、なんだかんだやりとりするうちに、あー、ビアンチね!といわれた。中国語系の人はビアンチというらしい。シュルベル、シュルベルいっている人がいてこれもわからなかったが、サーベロのことだった。ジャイアントはわかった。ジャイアント多し。
レース当日
制限時間は17h、目標は完走。最初だし。でも、事故なく頑張りきれればスイム1.5h、バイク8h、ラン5h、+トランジション、で14h台(15h以内)くらいでいけるんじゃないかと思っていた。バイクやランで調子が良くてものすごくうまくいけば、12h台もありえるんじゃないかとも思っていた。
早朝3時に起床し、4時前には家を出た。まだ真っ暗。オフィシャルホテルまで歩いて行って、スタート地点までのシャトルバスに乗る。
早朝、暗闇の最終バイクチェック。あーこれ動画でみたことあるやつだ。
スタート直前に海の上に大きな虹がかかる最高の演出。さすがアイアンマン、神懸かってるなと思った。
スイムはまあ、淡々と無難にこなす。あせらず、落ちついて、楽しんで泳ぐ。海はそんなにキレーっ!てわけでもなかったですね。サンゴとか熱帯魚とかみながら泳げちゃうんじゃないかとちょっと期待していたんですが、そういうわけではなかった。特に何もみえませんでした。
私にとって最大の鬼門、バイク。すぐ腰が痛くなるのでこれとの闘い。あと補給。ウルトラマラソン出るときに、UTMFとかに出てる先輩が「ロングは胃腸との闘いだ」といっていたのを思い出す。ロングトライアスロンもおそらく胃腸との闘いだ。胃腸が疲れて食物を受け付けなくなってエネルギー補給ができなくなったら、体動かなくなって終わる。思い切ってバックパックにハイドレ背負って走ることを決意。バックパックには、コンビニで買ったおにぎりやらカロリー高そうなパンやらを押し込んで、太田胃酸も持参。
現地民にやたらと「チャオ、チャオ」って言われて、ciao?イタリアブームなのかな?と思ったけど加油(チャーヨー)(がんばれ的な)だったみたい。
コースは中盤で1往復40kmくらいのところを3往復するんですが、これがやばかった。暑い、風強い、飽きる、の三重苦。中間くらいのとこにエイドがあるんだけど、3回目くらいにここに辿り着いたときは、なんとか辿り着いたのに水が品切れという四重苦。しょうがないから私はそれでも休憩と思って立ち止まって持参していたの補給をとっていたところ、スーパーマリオに似た大柄の外国のおじさんが、ボソッと"fucking hell"とつぶやきながら通過。ホントホント、と思いました。
その周回区間のエイドポイント。これみるとあの地獄の記憶が蘇ってきて頭痛と吐き気がします。
なんとかランに到達。チガジョグのおかげで、這ってでも走りきる癖はついてるので、ここまできた時点で完走はほぼ確信。ただバイクですでに脚が完全に売り切れ。なんとか走っていて、2kmごとくらいのエイドの全てで水をかぶり、バナナを食べ、ジェルをもらう。というのをやっていたら、ちょっと調子が戻ってきた気がしたのでエイドによらずに走っていたら、やっぱり脚が動かなくなってきたので、あわててエイドによる。後半、あと10kmくらいのところから、可能な限り追い込もうと思ってかなりペースあげてかなり抜きまくって、体感的には5min/kmくらい出てるんじゃないかなと思っていたんですが、計測実績みてみたらせいぜい6:40/kmとかでした。アイアンマン恐るべし。
アイアンマンの動画でよくみる、念願の「ゴールテープを持ちあげてゴール」がやりたくて、ゴール1km手前くらいから前後百メートル以内くらいに他の選手がいない位置を保ってゴールゲートに向かったんですが、まさかのゴールテープなし。そうですか。
おつ!!
やっぱりキツイですね、アイアンマン。なんとか15hは切りました。
しかし実際にアイアンマンやってみて思ったけど、「コナいきたい」とか気軽に言うもんじゃないな。これ10時間切るとか人間やめないと無理だわ。