「恵比寿マスカッツ」というアイドルグループの新曲PVをみたんだけど、なんかいろいろすげーな、と思って、そのすごさについて考えていたら、このアイドルグループは、従来のアイドルグループが歌唱力や演技力を向上させることによっては超えられないイノベーションのジレンマを超えてしまった、なんかものすごい革新的イノベーションなんじゃないだろうかという気がしてきたので、そのときに考えたことを特許明細書風にかいてみることにします。
2.技術分野
本発明は、モーニング娘、AKBなど、メンバーがたくさんいすぎる上に入れ替わり立ち替わりで誰が誰だかわけわからんアイドルグループに関する。
3.背景技術
近年、個々のメンバーが絶世の美人だったりかわいかったりするわけでもなく、たいして歌やダンスが上手なわけでもないが、メンバー数が多く、またメンバーをころころ変えて新陳代謝をし、話題作りを欠かさないことで流行に乗るアイドルグループが存在する(例えば、モーニング娘、AKB参照)。このようなアイドルグループは、メンバーがたくさんいすぎる上に入れ替わり立ち替わりで、あまり興味のない人間にとっては誰が誰だかわけわからないことが多い。
4.従来技術の課題
しかしながら、上述のアイドルグループは、個々のメンバーが肌をみせる写真集等を発売したり、メンバーと擬似恋愛ができるテレビゲームを発売したりすること等によりファンの性欲を救済しているものの、その露出はいわゆる肝心な部分を隠したものに抑えられていた。また、明確に「性」を前面に押し出すような形態は避けられる傾向があった。ここで、このようなアイドルグループのファンは大抵が異性であり、アイドルグループの中からファンが「お気に入りのメンバー」を抽出しても、「この子どんなセックスするんだろうな…」等の一線を超えたファンの欲求が満たされることはなかった。
5.課題を解決する手段と、効果
上述した課題を解決するために、恵比寿マスカッツは、そのコアメンバーがAVギャルにより構成されることを特徴とするアイドルグループである。恵比寿マスカッツの個々のメンバーは歌唱力もダンスもたいしてうまいわけでもないが、モーニング娘やAKB等によって、そのような形態のアイドルグループに慣らされてきた我々には、十分アイドルグループとして認知できる。
恵比寿マスカッツは上述のようなアイドルグループのひとつとして登場してきた有象無象のユニットのひとつにみえるが、彼女らはプロのAVギャルなのである。すなわち、このアイドルグループの中から、ファンが「お気に入りのメンバー」を抽出すれば、そのメンバーのAVを取得することができ、「この子どんなセックスするんだろうな…」という、従来のアイドルグループのファンになることでは満たされなかった欲求を満たすことができる。「ハニーとラップ♪」PVの中では、エロい顔をしたおっさんが柵越しに恵比寿マスカッツのメンバーを眺める、グロテスクともいえるシーンがある。
恵比寿マスカッツのファンは、風俗店でマジックミラー越しに今夜の相手を選ぶように、「お気に入りのメンバー」を選び、そのAVを楽しむことができる。
このように、恵比寿マスカッツは、従来のアイドルグループが、歌唱力や演技力を向上させたり、グループを「卒業」してソロ活動に転じたりすることでは超えられないイノベーションのジレンマを超えた、革新的イノベーションといえる。
6.産業上の利用分野
ところで、ロシアの作家ドストエフスキーは、その国の文明の程度を知りたかったら、その国の性産業をみろと言った*2。VHSとβとの技術革新の例を出すまでもなく、性産業の在り方は国の在り方に影響を与える。漫画『サンクチュアリ』において、北条彰と浅見千秋は、裏社会の組織であったヤクザ組織を会社化して表に出すことにより、ヤクザ組織の健全な発達と、そこに従事するメンバーの生活の安定化を画策した。「職業に貴賎なし」と言ったのは江戸時代の思想家である石田梅岩だが、このようなAVギャルにより構成されるアイドルグループが表に出て、例えば紅白歌合戦にでるような国民的アイドルとして認知され、AVギャルを経て国民的アイドルになるという道が開けるならば、K DUB SHINEが綴ったような「タレントとしてスカウトされたと思ったら騙されてAVギャルになってた」という物語は、必ずしも悲劇ではなくなるのかもしれない。今後、恵比寿マスカッツが日本社会においてどのように受け入れられ、変化していくのかが期待される。
7.結語
以上説明した通り、恵比寿マスカッツは従来ない構成を有するアイドルグループであり、その構成が奏する効果は従来のアイドルグループに比べて格別に有利なものです。よって、このアイドルグループの今後が気になる次第であります。
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