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「アイアンマン70.3セントレア知多半島ジャパン」完走しました

アイアンマンレースとは

アイアンマンレースというのは鉄人を想起する過酷なレースの一般名称のようにも思いますが、その世界では特定ブランドのトライアスロンレースの固有名称で、商標登録もされています。けっこうしっかり商標管理されてるみたいです。

トライアスロンはキツイですが、いわゆるオリンピックディスタンスと言われているメジャーな距離はそんなに長くなくて、スイム1.5k、バイク40km、ラン10kのトータル51.5kです。オーディー(OD:Olympic Distance)とかゴーイチゴとか言ったりします。だいたい2〜3時間くらいで終わります。これに対し、アイアンマンを冠したトライアスロンレースはスイム3.8k、バイク180k、ラン42.195kでトータル10時間〜16時間くらいかかる変態レースです。で、これがちょっと長すぎて開催する側も参加する側も敷居が高いからなのか、これの半分の距離、スイム1.9km、バイク90.1km、ラン21.1kmでトータル113.1km≒70.3mileのレースが、アイアンマン70.3としてアイアンマンブランドで行われています。フルアイアンマンの半分ですが、それでもオリンピックディスタンスの倍以上ですね。というわけで今回はこの、アイアンマン70.3セントレア知多半島ジャパンに参加してきたので記録しておきます。

前日

開催地は愛知の知多半島で、前日説明会に出なきゃいけないので神奈川県民が参加するには前泊必須です。家族旅行にこじつけて行ったら良いんじゃないかと思ったんですけど、妻子にフラれたので今回は一人旅です。寂しいとも思ったんですが、いざ一人旅となったら眠っていたバックパッカーの魂がフツフツと蘇ってきて、荷物配達なし、宿予約なし、鉄道切符のみのバックパック輪行スタイルでいくことにしました。

バックパックは60リットルです。よく売られているトライアスロン用のバックパックはだいたい30リットルかもうちょっとくらいで、トライアスロン道具だけ入れるならそれでも充分なんでしょうが、その他の泊まりに必要な日常用品とかまでオールインワンで持ち運ぶには心もとないですね。60リットルあれば充分でした。背負ってしまえば多少のバイク移動もできます。

名古屋だがや

中部国際空港セントレアに着いて前日説明会。空港内のイベントスペースのようなところでアイアンマンエクスポという大会グッズを売ったりしているところがあって、散財するのもやぶさかでないと思って現金もって楽しみに行ったんですが、思ったようなものはなくて結局なにも買わなかったですね。キッズTシャツあったら同じ柄のを妻子に買って帰ろうかなとか、なんだかんだいってMドットのバックパックの現物みて良さそうだったら買っちゃおうかなとか、アイアンマン印のトライスーツあったら欲しいなとか思ってたんですけど、なかったですね。残念。

中部国際空港で選手登録その他の手続を終えて、バイクチェックイン用の選手用無料シャトルバスでスタート地点の新舞子に移動。

いやー湘南の黒砂ビーチも好きですが、やっぱり白砂のビーチって良いですね。

諸々の前日準備を完了し、夕方くらいにさー宿どーすっかなと考え始めました。名古屋まで戻っちゃえばなんとでもなりそうですが、明日は朝6:00くらいには新舞子のスタートエリアについていなければならず、名古屋だと電車動き出してから始発でも厳しそうです。とりあえず、名古屋とは逆方向の中部国際空港に戻る選手用循環シャトルバスに乗ります。シャトルバスは中部国際空港東横インを経由するようで、どうやら選手は東横インに泊まってる人が多いようです。フーンと思ってバスの中でiphoneで検索してみると…空きがあるじゃないですか、東横イン。おーこれにしちゃおっかな、と思ったんですが、そんなにスンナリ決まっちゃうのもつまんないなという謎のバックパッカー魂が邪魔をして、バスを降りるも東横インをスルー。

とりあえず電車に乗って常滑駅に向かいます。
常滑といえば、日本ヒップホップ好きにはたまらないTOKONA-Xの地元、名古屋ほどとはいかないまでもそこそこの繁華街とサグでドープな裏道…みたいなのを想像していたら、なにもない。駅おりてビックリしました。なにもない。繁華街なし。腹減ったのでちょっととりあえずラーメンでも食いたいなと思ったんですがラーメン屋なし。というか飲食店なし。駅前のガード下的なところに数件の店らしきものがありますが閉まってるし電気消えてるし人影なし。どこにでもたくましく店をだす中国人の中華料理屋もなし。コンビニやスーパーも見当たらない。
そうですか。

途方にくれて放浪していたところ、町の外れに24時間営業の漫画喫茶を発見。

今夜の宿はここで。

漫画喫茶の個室でトランジションバッグを整理します。

なんか電気がすごい明るいしJ-POP的なものの有線放送がそこそこの音量で呪いのようにずっとかかっていて寝れず、21:00ころにやっぱり大人しく東横インいっとけば良かったかな〜なんて思いながらiphoneで再度検索したら、まーもう空きにはなってないですね。そりゃそうだよね。

というわけで開き直って弱虫ペダルなど読みながら、ティッシュペーパーを耳栓として丸めて耳に突っ込んでJ-POPの呪いを低減し、体を休めます。

当日

3:00くらいに起きて、飯食ったり弱虫ペダルの続きを読んだり荷物の整理をしたり。アイアンマンレースではトランジションバッグ以外の荷物は預かってくれないので、このデカいバックパックをどこかに預けなくてはなりません。常滑駅前にコインロッカーがあるみたいなので、朝4:00過ぎくらいに漫画喫茶を出てタクシーで常滑駅へ。駅のシャッターが下りていて若干イヤな予感がしながらコインロッカーを探すと、シャッターの向こうの券売機の隣にコインロッカーが。なんでそこシャッター内なんだ…。やばい荷物どうしようかなと思いながら常滑駅の電車始発時間を調べると、5:00チョイ過ぎには始発があるようだ。だったらその前にシャッターあくんだから、それからコインロッカーに荷物預けて常滑駅前から新舞子までの選手用シャトルバスに乗ればセーフのはず。というわけで、1時間弱くらい、人のいない常滑駅でシャッターが開くのを待つ。

5:00くらいに無事にシャッターが開き、コインロッカーに荷物をいれて選手用シャトルバスへ。

いよいよきました、アイアンマンの舞台。

レース前の最終バイクチェックをします。

トランジションエリアT1はこんな感じ。

他のトライアスロンレースではバイクおくところの地面に着替えとか道具とか置きますが、アイアンマンでは個々人ですべての道具をバッグにいれてここにぶら下げておきます。トランジションエリアで物を地面に置きっ放しにしていたらペナルティ対象だといってました。

目標タイムは、こないだの51.5が2:40くらいだったので、その倍+α+βってことで、6時間くらいかなと。additionalな目標として、バイクのAv30km/h以上、ランサブ100minを心に秘めて挑みます。

スイム

スイムはあんまり頑張り過ぎると呼吸が乱れて次のバイクに影響するしバトるのも気分よくないので、トライアスロンのスイムはのんびりとアップくらいの感じでいくのが定石になりつつあります。泳ぐのはスキだし水の中にいるのがスキなんですよね。水の中にいるとなんか安心します。レースでワーワーいっててもよーいスタートで始まって水の中に入ると、水の音以外何も聞こえなくなって一気にシーンと落ち着くあの感じ、あれもたまんないですね。
というわけでスイムはバトルを避けて端っこの方をノンビリ泳ぎながら無難に完泳。

バイク

昨年始めたばかりでバイクにはまだまだニガテ意識がありますが、今年は大磯クリテリウムや箱根ヒルクライムなどのレースに参加してそれなりに経験値を貯めてきました。
ロードバイクにDHバーつけた方が良いですかねと地元のトライアスロンショップに相談したら、別にいらないんじゃないですかねと言われたのでつけてません。というか ロードバイクは、買った以来ドリンクホルダーつけたくらいで他は何もいじってません。レース中、DHバーやディスクホイールなんかをつけたお金かかってそうなTTやロードにかなり抜かれましたが、高そうなバイクを抜いた場面もけっこうあったので、やっぱり私が目指すのは高いバイクを手に入れることではなくて、しっかりエンジンを鍛えてあんまりいじってないバイクで高いバイクを抜きまくることだなと改めて思いました。
前半は30-40km/hくらいで順調にきて、30km地点くらいのところでサイコンをみるとAv32kくらい。ヨシヨシいいんじゃないのと思ってたんですが、周回コースから外に出てちょっといくと、鬼の登り。うわそういえばアップダウン激しくて獲得標高600くらいあると前日の説明会でいってたの忘れてた。このへんで一気に腰が疲れて痛くなってきて、もう楽しむどころではなく早く終わってくんないかな的な心境。腹も減ってきたので、背中のポケットにいれておいたランチパックと蒸しパンと固形エネルギー(クッキーみたいなやつ)を走りながら食べます。
なんとか進んでいくと、今回のバイクコースの目玉である南知多道路へ。南知多道路は自動車専用道路で、これを20kくらい閉鎖してバイクでワンウェイに走ります。これはスピードも出せてなかなか気持ち良いんじゃないの、と思ってたんですが、いざ行ってみると、鬼の逆風。必死でこいでもぜんぜんスピードでません。アップダウン激しいし。いったい何得。
途中で給水があって走りながらバイクボトルを受け取るのですが、これがアイアンマンロゴ入りのボトル。記念に欲しいと思ってもらって背中のポケットに入れてたんですが、いつの間にかどっかいっちゃいました。いま思えばトランジションエリアでバイクを降りて押して走り出した時に背中にユサユサを感じていたので、トランジションエリアで落としてしまったようです。残念。
結局バイクは後半でスピード落ちまくり、Av27kくらいで終了。

ラン

バイク→ランのトランジションは内海高校。高校生たちが誘導などやってくれます。ありがたい。走り出すと、ランていうかなんかトレイルみたいな道で笑える。畦道。ちょっとしたら舗装された道も出てきた、と思ったらまた田んぼの間をすりぬける砂利道。笑える。舗装道になったと思ったらまたアップダウン激しい。笑えない。しかしランはなんだかんだいってもこちとらいちおう100kウルトラフィニッシャーとしての意地もあります。バンバン抜きました。
ランのエイドは結構マメに10箇所くらいあるんですが、全エイドにレッドブルがあります。さすがアイアンマン。ほとんどのエイドでレッドブルのんで、フィニッシュ後にもレッドブルのんだので、2時間くらいの間に2リットルくらいのレッドブルのんだ。
走っていくと海がでてきて、遠くにゴール地点近くの内陸と空港をつなぐ橋がみえます。あそこがゴールかーと思いながら走っていくと、12k地点の看板。あと9kかーと思った時に感じたのは、あと9kで終わるという安心感よりも、もう終わっちゃうのかという寂しいような気持ちの方が強く、あぁ私もどうかしちゃったな、と思いました。そのまま無難に走り、ゴールがみえる直線に入ってからスパートかけて何人か抜いてゴール。
バイクAv30km/h以上とランサブ100minとのadditional目標は達成できませんでしたが、トータルタイムは6時間きったので満足です。

今度はいよいよ70.3じゃないリアルアイアンマンに挑戦したいところですが、あれって前々日の説明会から始まって3泊4日かけないと出られないみたいなんですよね。ウチはまだ子どもが小さくて、4日間つれてくのも家あけるのもちょっと難しいので、もうちょっと子どもが大きくなってからですかね。それか泊まりなしでそれぞれ日帰りでいける関東のどこかで開催してくれれば可能性ありますね。
噂では契約の関係で来年の北海道のリアルアイアンマン開催はなく、場所が変わるとか、そもそもアイアンマンJapanは無くなっちゃうんじゃないか説とかがあるみたいです。オリンピックトライアスロンを呼び込もうとしているお台場や横浜が実績作りを目論んでアイアンマン開催する、という可能性はなくもない気がするんですがどうですかね。湘南でやってくれたら近いし最高ですね、江ノ島を起点とするアイアンマンJapanなんて最高にエキサイティングだと思いますがどうですか。ダメですか。