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It's Not About the IP

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トライアスロンの歴史といま

トライアスロンっていったいなんなんだ、というのがggっても知りたい事が日本語でまとまってるのが意外となかったので、自分でまとめてみました。

(1)黎明期:“Les trois sports”

1900年代初期から、ヨーロッパには複数の競技を組み合わせて総合成績を競う"Les trois sports"(≒three sports≒3種目競技)と呼ばれる競技が存在した。ただこれは時により、カヌー、ラン、バイク、の三種目だったり、幅跳び、砲丸投げ短距離走の三種目だったりして、必ずしも連続して行うものでもなかった。

History of Triathlon: 1904 | Triathlon Facts

wikipediaには1904年の第三回オリンピック競技大会で行われたトライアスロンのページがあるが、これも幅跳び、砲丸投げ短距離走の3種目の総合成績を競う種目だった。

Athletics at the 1904 Summer Olympics – Men's triathlon - Wikipedia

現代でも陸上の世界には5種目競技、7種目競技、10種目競技などがあるが、どちらかというとこっちに近いものと考えて良いだろう。

1920年代から、スイム、バイク、ランの順に連続して行うレースが行われた記録がチラチラと出始める。

だがこれらはいずれもまだあくまでも"Les trois sports"で、トライアスロンという言葉はまだなかった。

Triathlon History | totaltriathlon.com

(2)誕生期:サンディエゴ・トラック・クラブ

1974年、カリフォルニアの陸上競技クラブ「サンディエゴ・トラック・クラブ」が、陸上競技の練習の一環として、スイム、ラン、バイクを連続して行い(順序がこうなったのは翌年)、総合タイムを競うというタイプのイベントを行った。これが現代トライアスロンの起源であり、「トライアスロン」という言葉もこのときに発明されたといわれている。

Story of the First Triathlon

San Diego Track Club – Running San Diego Since 1954

ちなみにこのサンディエゴ・トラック・クラブ、現在も活動中でfacebookページもある。

San Diego Track Club

https://www.facebook.com/SanDiegoTrackClub/

我らがチガジョグもいつかこのような伝説になるかもしれないわけだ()

(3)第一発展期:アイアンマンレース開始

サンディエゴ・トラック・クラブでのトライアスロンレースに参加したある軍人が、その後、軍役の関係でハワイに移住した。カリフォルニアでのトライアスロンレースを忘れられなかった彼は、ハワイで同様のレースを開催することを思いつく。しかもそれは、練習といったものではなく、すでにハワイにあったスイム、バイク、ランのそれぞれ最長級のレース距離を連続して行い、ジャンルを越えたアスリート最強を決定するという、「ぼくのかんがえたさいきょうのあすりーと」的イベントだった。1978年にアイアンマンと称して行われたこのイベントは伝説となり、現在に続くトライアスロン文化の礎を築くことになる。

SIMPLE SOLUTIONS FOR PLANET EARTH AND HUMANITY: JUDY AND JOHN COLLINS: Founders of the Triathlon

アイアンマンレースは継続的に開催され、1982年にはその様子が全米にテレビ放映された。この大会で、ある一般女性選手がランのゴール手前で動けなくなり倒れるが、動かなくなった脚を引きずって這ってゴールに辿り着く。この様子は全米から世界に発信されて感動と共感を呼び、アイアンマンレースは、必ずしもエリートではない一般人が努力と強い意思で挑戦を成し遂げることの象徴として知られていく。

Julie Moss's Inspirational Near-Win in the 1982 Ironman · MoveMe Quotes

ちなみに現在、アイアンマンの公式ルールにおけるランの部には、「選手は、走り、歩き、または這って進むことができる」(Athletes may run, walk, or crawl)と規定されており、「這う」規定はこの出来事を踏まえて追加された。

Rules and Regulations

(4)第二発展期:オリンピック競技へ

テレビ放映された1982年のアイアンマンレースは世界中のアスリートを魅了して多くのフォロワーを生み出し、トライアスロンレースを運営するための団体がすぐに世界各地に設立された。これらの団体が開催するトライアスロンレースをみたオリンピック運営は、早々にオリンピック競技にトライアスロンレースを取り入れる検討を開始する。乱立した団体間の調整や政治的なアレコレは難航し、2000年のシドニーオリンピックにて、ついにオリンピックディスタンスでのトライアスロンが正式種目として開始された。

Triathlon Olympic History

Triathlon.org

(5)成熟期:現在のトライアスロンレース

現在では、各国で以下のようなトライアスロンレースが開催されており、これらのレースがトライアスロン文化を形成している。

まず、以下のような体系化された世界的レースシリーズがある。

これらの世界的レースシリーズとは別に、各国で独自に発展したローカルレースが行われている。

アイアンマンを冠するロングディスタンスのレースは、現在、日本では開催されていない。

ヨーロッパには、距離こそロングディスタンス相当であるものの、「エクストリームトライアスロン」と呼ばれる以下の三大変態トライアスロンレースがある。この3つを完走した日本人は現時点でいなさげ。

  • スイスマン(スイス)
    古代ローマから続く過酷な石畳の山道、標高5500m級のアルプス山脈、永久凍土のトレイルを抜けるスイス満喫の冒険。英語、ドイツ語、フランス語、イタリア語のいずれかによって運営側とコミュニケーション可能なサポーターの同行が義務付けられており、ランの最後には併走する。制限時間19時間。
    SWISSMAN Xtreme Triathlon – a unique triathlon adventure in Switzerland

  • ノースマン(ノルウェー
    フィヨルドを泳ぐところから始まり、天気の変わりやすいガチな山中とトレイルを進むノルウェーの森満喫の冒険。英語かノルウェー語のいずれかによって運営側とコミュニケーション可能なサポーターの同行が義務付けられる。ラン後半の32.5km地点、37.5km地点にて、スタートから14時間半、15時間半、17時間半の制限時間が設けられており、その通過時間によりゴール地点が2箇所に分けられる。ここを通過すればゴール地点には制限時間なし。完走者にはゴール地点に応じて栄光のブラックシャツ、ホワイトシャツが与えられる。
    Isklar Norseman Xtreme Triathlon | Simply the ultimate triathlon on planet earth

  • ケルトマン(スコットランド
    水温10度のオーシャンスイムから始まり、ランでは中盤から舗装道路を含むロールートとガチトレイルのハイルートに分けられる。この分岐地点での制限時間がそれぞれ11時間と13時間。ここを通過すればゴール地点には制限時間なし。完走者にはルートに応じて栄光のブルーシャツ、ホワイトシャツが与えられる。英語かスコットランド語で運営側とコミュニケーション可能なサポーターの同行が義務付けられる。
    CELTMAN!

その他、ヨーロッパにある憧れのローカルレース

さあ、死ぬまでにいくつ出られるかな~