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インターネットが与える知財への影響の考え方2.0

インターネットが与える知財への影響は
大変なことで、これはもう革命的なものだぞ。
オモロいことになりそうだぞ。
産業革命は所有権という概念を生み出したといわれるが、
情報革命はどんな概念を生み出すのか?
まだわからないが、それはいまでいう知的所有権のその先なんじゃないか?


ウェブ2.0のその先で、知財の概念は根本からひっくり返るに違いない。
と、知財をひっくるめて思っていたが、実務をやりだして一年ちょい、
そうでもないかも、と思うこともでてきた。
ソフトウェア特許著作権については
まだ誰も思い付いてない枠組みが必要となるだろう、
という予感は変わらないが、機械、構造、化学やソフトウェア以外の
電気なんかの分野の特許と、意匠、商標なんかは
別に対して変わんねーんじゃねえか
というか変わっても想像のつく範囲でなんじゃねーか
というか変わる必要があんまりねーんじゃねえか
と思うようになってきた。


特許実務的な現状から考えると、
ソフトウェア特許はそこそこやり方が明確になってきているとはいえ
まだまだ出願する方も審査する方も手探り的なとこがあるし、
機械や構造のように物理的に発明が定まらないうえに、
考え方自体が新しくなっていたりするから、
打ち合わせも手探りで進んでいきソフトウェアと特許法と審査基準との
知識および考え方を総動員して話をして、
一件の受任打ち合わせ自体にかなりのスキルを必要とする。気がする。と思っている。


私はでかい事務所にいるので、電気だけ、ほとんどソフトウェアばっかり
やれば済んでいて、他の分野の明細書をかくことは
ほとんどないのだけど、このまえ、機械ものの明細書受任打ち合わせに
同席する機会があって、そのやりとりをみながら、
なんか雰囲気が違うぞ、と思った。根本的に。
なんというか、明細書をかくための方法論がもう確立されていて、
その手順に沿って聞くべきことを聞いていく。みたいな空気。


あと、機械の発明は個人で動くものまで用意することが困難で、
つまり着想を具体化するのに工場が動くことになるので、
これからもそれなりのエスタブリッシュされた組織の中で
発明が行われていくだろうという気がする。
だから、その発明は組織のなかでコントロールされ指揮監督されながら
行われていくだろうという気がする。


そういう意味で、ソフトウェアのように、着想から具体化まで、
個人が作れちゃってそれがウェブ上をバンバン飛び交う、
みたいな、エスタブリッシュされた組織内での開発よりも
ウェブ上の方が技術的に先、ということには、
機械、構造、化学やソフトウェア以外の
電気なんかの分野の特許と、意匠とかは、ならないのではないか。


商標は、ウェブ上で飛び交う財産的情報に付随する商標を
如何に保護するかとかそういう問題に対応していく必要に
迫られることになるとは思うが、それは別にこれまでの商標法の
理念の延長上で対応していくことができるだろう。
インターネットのインパクトは、
特許実務的にはなんといっても新規性の面なんだけど
(私は、全てのソフトウェア特許は、無限に調査時間をかけて良いのであれば
新規性を否定する根拠を探し出せるのではないかと思っている)、
商標は新規性は関係ないしね。