It's Not About the IP

- IP(Intellectual Property), Computer Technology, Ocean Life, Triathlon, and more

で、FinTechってなんなの

  • 明確な定義はない

  • 「FinTech」という言葉自体は昔からあった。銀行のバックエンドで動いていた勘定系システムとか、全銀システムとかATMネットワークとかクレジットカードネットワークとか、そのへんのコンピュータ技術は昔からFinTechとよばれていた。

  • ここ最近、モバイルやIoT、ビッグデータ、AI、P2P、等のコンピュータ技術を駆使した新しいタイプの金融系サービスと、その担い手としてのベンチャー企業が注目を浴び、資金を集めるようになってきた。このような流れを大雑把に捉えようとする言葉が「FinTech」。

  • 新たな潮流としてのFinTechを、上述したような従来型のFinTechと区別して「FinTech2.0」という向きもあるようだ。web2.0を思わせる軽薄なバズワードっぽさが出るし、従来型のFinTechと区別して議論した方がわかりやすいとも思うので「FinTech2.0」というのはアリだと思う。Web2.0という言葉が流行りまくった時も、「このウェブサービスは1.0か2.0か」なんていう不毛な議論をするのが面白い暇つぶしになった気がしますが、FinTechで同じような(不毛な)議論をするのも面白そうですね。

  • どこからどこまでがFinTech技術、どこからどこまでがFinTech企業、という境界を引けるものではないが、 大雑把な独断と偏見によるとFinTechどまんなかの三本柱は「仮想通貨」、「決済」、「会計管理」

仮想通貨

決済

  • 主体:ペイパル、スクエア、Stripe、アップルペイ、アンドロイドペイ、アリペイ、メタップス、BASE、mCASH、WeChat、PowaTag、等
  • 技術要素:モバイル、NFC、BLE、IC、RFID、HCE、O2O、おサイフケータイ
    • ペイパルが牛耳っていた安定のオンライン決済の世界にヒョコっとイノベーションのジレンマを超えてきたスクエアが切り込み、一気に群雄割拠の戦国時代に突入したイメージ
    • ベンチャー各社も着々と特許出願を進めているようだ。このジャンルの新しい公開公報がけっこうでてくる
    • 多様なモバイル決済の手法では中国が先行か?数年後、気がついたらモバイル決済の世界は中国企業の特許だらけでした、という未来はありえるような気がしなくもなくなくなくなくなくない?

会計管理

  • 主体:マネーフォワード、Zaim、freee、マネーツリー、等
  • 技術要素:モバイル、PFM、ビッグデータ、ディープラーニング、マシンラーニング、AI
    • 日本におけるPFM(家計簿)の世界では既に天下統一した感のあるマネーフォワードですが、まだまだ何が起きるかわかりません。つうかあんなにインターネット経由でなんでもかんでもアグリゲートして、情報漏れたら一気にえらいことになる気がするんですが大丈夫なんでしょうか。

FinTech革命(日経BPムック)

FinTech革命(日経BPムック)

余談1

お金のデザインとかアルパカとか、融資とか投資とかの判断をディープラーニングやマシンラーニングを駆使してAIでやろうというロボ・アドバイザーみたいなのも大きな柱のようなんですけど、お金のない一般ピープルには縁がなくて正直あんまりピンとこないですね。すいません凡人で。

余談2

特許屋というのは何やってるかよくわからないと思いますが、技術ウォッチャーでもあります。

FinTechについてggってみるとまさに群盲象を評すようなもので、あるサイトでは「FinTechとはオンライン決済のことじゃ」、あるサイトでは「FinTechとはビットコインのことじゃ」、あるサイトでは「FinTechとはブロックチェーンであり、ブロックチェーンは管理者不在といっている連中がいるがブロックチェーンが本来管理者不在であるわけではなく、ビットコインはブロックチェーンの極端な実装例のひとつに過ぎないbra,bra,bra…」などといっており、さっぱりわかりません。

さっぱりわかりませんが、さっぱりわからないなりに本読んだりggったり周辺特許や商標など調べてみたりしたので、なんとなーくの概観をとりあえずまとめてみました。