4/22~4/24に行われたUTMF2022を完走したので記録など。
コース
こんな感じ
ランニングスペック
初フルは10年くらい前で、PBはコロナ以前の3年ほど前に出したのが3:07くらい。チャレンジ富士五湖100km完走経験あり。トライアスロンアイアンマン完走経験あり。トレイルレースの一番長いのはITJの70kmですかね。
練習
エントリしていたものの、コロナの関係でやるのかやらないのかよくわからなかったのでレースのための練習はしていなくて、いつもの週一のスピ練(茅ヶ崎から江ノ島までのサイクリングロード往復20kmで1分ダッシュ→1分ジョグをくりかえすインターバル)だけやっていた。
こういうレースのやるやらないというのは政治的なこととかお金のこととかが複雑に絡み合うので予測をたてるのは無理だから、発表をまって結果を受け入れるしかないのだけど、3/6の東京マラソンがやる方向で調整しているのをみて、UTMFもやってもおかしくなさそうだなとは思っていた。そんななか3/3にyoutubeで開催方針についてのlive配信があった。結局中止になった昨年も同じような配信があってみたのだけど、そのときとの温度感の違いみたいなものを感じて、これはやりそうだな、と思った。
この時点でトレイルレースのための準備をする気になって、身体に刺激をいれるためとレース感を取り戻すために手頃なレースを探したら、日程的にも距離的にも丁度良さそうな六甲縦走トレイルというのをみつけてエントリして、走った。
ここから週一くらいで山に行きたいところだったけど、なんやかんやでそんなにはいけなかった。鎌倉のトレイルを夜通し走る夜練をやったり、ホームである丹沢の塔ノ岳を走ったりしていて、本番2週間前にはUTMFに挑むためにやり残した宿題と思っていた「箱根外輪左回り・屏風山と飛竜の滝を通るトレイルフルコースを始発で行って日が沈むまでに帰ってくる」をやった。これがわりと普通にできた時点で、UTMFもがんばれば完走できるかもな、とは思っていた。ここからは基本休足。
目標は完走できれば充分ですが、40時間くらいかな。調子が良ければあわよくば36時間くらいでいけるかもしれないなとも思っていた。
足首の捻挫と鵞足炎と浮腫
右足首に捻挫癖があって、昨夏にわりと激しく捻ったのを放っておいたらなんだか完治していないままで長時間走ると痛くなってくる。とか思ってたら右膝のあたりも痛くなってきていて、どうやら足首の捻りを無意識にかばうことからきた鵞足炎のよう。
整形外科にいって相談したら、まあいまさらどうしようもないねみたいな感じ。足首にテーピングをしようかとも思ったんですが、いちいち巻くのも面倒なのでこういうやつを買いました。
薄手のやつは靴下的な感じで履いたまま走れるし、厚手のやつは家で寝るときとかにしておくと翌朝の調子が良い、ような気がする。今回も薄手のやつを履いたまま走りました。捻りかけて捻り切らなかった場面が何度かあったので、これに助けられたと思っています。また副次的な効果として、常に圧迫しているので、浮腫が少なかった。長距離走ったあとにゾウ足になるのはあるあるですが、対処としては物理的に圧迫するのが良さそうです。
宿
茅ヶ崎仲間のおじさんたちとAirbnbで富士急ハイランド付近に宿をとって、男子部室の合宿ノリで前泊。
前日の昼は焼肉、夜はほうとうを盛り食い。受付も無事に済み、EXPOで少しのお買い物など。
TNFのトレランシューズを買いました。
装備
時計は意識高い系トレイルランナーの高機能のカッコイイやつではなくて、シンプルなGarminのこれ。GPSトラック機能はついてますが40時間とかはもたないので普通の時計としてだけ使います。
携帯する補給食も意識高い系トレイルランナーのカッコいいジェルではなくて、ふだんのんでるザバスの200mlのこのシリーズのやつ。
嵩張りますが、こいつをザックに5個、ドロップバッグに5個いれてのぞみます。プロテインがあればなんでもできる!
水はハイドレーションパック2Lを満タンで。
あと細かいお楽しみ補給食として個包装のこういうのをザックのすぐ取り出せるところにいれていました。
今回はエイドで毎回マスクをしないといけないので、すぐ出し入れできるパンツの右ポケットに常にマスクをれておきます。個包装の補給食のゴミなどはパンツの左ポケットに貯めておいて、エイドで捨てます。すぐに出せるザックの肩ストラップの小物入れには、右側に↑の固形補給食、左側にザバスをいれておいて、食べたいときに食べます。
高低表と各エイドで何がでるかというのは常にチェックできるように、プリントアウトしてジップロックにいれてザックのすぐ出し入れできるところにいれておきます。何回もみた。
スタート
いよいよきたな、このときが。
鏑木さんと六花さんが3年ぶりのスタートを盛り上げます。
これはつらい試練の日か?否。これまで培った経験と体力を全て出し切れる、ご褒美の日。日本最大のトレイルレース、160km40時間の旅。いってきやーす #UTMF pic.twitter.com/dSCbuwjX9x
— ysmatsud (@ysmatsud) April 22, 2022
スタート(16:00)~U1富士宮(18:30)~U2麓(22:00)
天子山地のトレイルが天気の関係でなくなって迂回路になり、スタート~U1富士宮~U2麓まで山という山なし。というわけで当たり前のようにみんなノンストップで走る。いうても50kmですよ。登らないにしても50km走るって、普通に考えたらけっこう大変なことなんだと思いますけど、もはやみんな天子のぼらないし体力使い放題だーみたいな感じで走るわけですよ。イカれてますね。
U1富士宮までは明るいうちにいけそうだったので、ライトはU1富士宮でつけることにして、そこまではとりあえず突っ走りました。U1富士宮でヘッドライトをつけて、天子迂回路へ。迂回路もぐちゃぐちゃだったので、天子いってたらやばかったなと思いました。
U2麓(22:00)~U3本栖湖(24:00)~U4精進湖(4:00)
U2麓は2018にボラをやった思い出のエイド。あのときはまさか自分が走るとは思っていなかったなあ。やきそばを頂いて出発。 この辺りまで山がなくて何しにきたんだっけという気にもなっていたんだけど、この辺りからトレランらしくなってきた。グイグイ登る。
UTMFはあまり天気がよくなくて富士山がみえない回も多いようなのだけど、今回はわりと昼も夜も富士山がみえていました。
いわゆる富士の樹海辺りを走りながら、チャレンジ富士五湖でもお馴染みのU4精進湖へ。
U4精進湖(4:00)~U5富士急ハイランド(8:00)~U6忍野(12:00)~U7きらら(16:00)
U4精進湖で田舎ぞうすいを頂いて出発。この辺りで夜が明けてきて、早朝の紅陽台~五湖台あたりからの富士山がきれいでした。
U5富士急ハイランドではトップ選手が既にゴールしてたりするのかなと思ったけど、まだいなかった。ドロップバッグには特にたいしたものはいれてなくて、いちおう靴下を履き替えた。エイドにあるパンとかを頂いて、出発。ここまでくれば後は這ってでもゴールできるだろ、という気がしてきた。
この辺りから灼熱地獄でやばかった。調子のって走ったりしてたんだけど、ちょっと熱中症気味だなと気付いて、休み休みの抑え気味に。じっとしてればひんやりとした風があったりしたので、落ち着いて身体を冷やす。
クッソ暑くてやばい。これは調子のってこのまま走ってると熱中症になるやつだ。忍草山山頂の倒木に腰かけて身体を冷やす戦略的休憩。つ、疲れたから休憩してるわけじゃないよ! #UTMF pic.twitter.com/NDyGDq4tG9
— ysmatsud (@ysmatsud) April 23, 2022
U6忍野で、救護の人にちょっと熱中症気味なんですけど何か冷やすものありますか、ときいたら、特にないみたい。水を頭から被って冷やしていたら、KAIのトップ選手が到着。めちゃ速い。
この辺りから元気なKAIの方たちに囲まれ煽られもみくちゃに。UTMFは年齢層高めな気がしますが、なんだか若い方がたくさんいるのですねKAIは。良いですね。瑠偉くん効果でしょうか。
大平山辺りで、眠気と疲れと熱中症気味とが合わさってフラフラしてきたので、大平山山頂のベンチで10分ほど仮眠をとりました。
U7きらら(16:00)~U8二重曲(21:00)~U9富士吉田(1:00)~ゴール(6:00)
U7きららで豚の入っていない豚汁を頂き、おにぎりも頂いて休息。ここでも水を被って、二重曲へ出発。
このU7きらら~U8二重曲が鬼門でしたね今回は。熱中症で体力を奪われてむかえた2日目の夜に、ヌルヌルと滑りズボズボと埋まる泥んこの上り下りが延々と続く。途中でドーンドーンと聞こえてきたのは雷かな、こんな時間に自衛隊の砲撃演習やってるわけないしな、と思ったら、どうやら河口湖でやっている花火の音だったようで、山の上から遠くの空に花火がみえました。きれいでした。
そんなこんなで迎えたU8二重曲峠。ここがまじやばくて、まじでやめようかと思った。エイドもこれまではちゃんとした建物だったりしたんですがここは狭いテントで人がごった返し、ブルーシートに置かれたストーブの周りで人が寝ている野戦病院状態。
もう疲労困憊ですが、次に現れる難所・杓子山はまあまあの急登で岩場や鎖場もあるところ。塔ノ岳みたいなもんでしょなんとかなるだろ、と思っていたんですが、改めて考えると24時間以上100km動き続けている状態からの塔ノ岳ってけっこうヤバいぞ。疲労と眠気と野戦病院のザワザワから、なんだか杓子山が不安になってきた。
しかしここまできたしな~、と思って、ここまでもらっていなかったエイドの温かいカフェオレを頂いたら、気分転換してスイッチはいった。よし、いくべ。いけるいける。
ここまではわりとストイックにきてたんですが、疲れたし眠いし杓子は危ないっていうし、素直に前の人についてこ、という心理になって、おしゃべりをして眠気と疲れを紛らわす作戦に。この辺りまでくると周りに生き残ってる人たちはもうみんな戦友のような気持ちで謎の親近感があって、楽しくおしゃべり登山。
無事に杓子を終え、最終エイドのU9富士吉田でもしばし10分程度の仮眠。あわよくば36時間とも思っていたけど、もうタイムとかどうでもよくなってきた。完走できればなんでも良いっす。UTMFのフィニッシャーですといえれば良いっす。
というわけで霜山に突入。ここでも素直に前の人についてこ、というつもりでのぞんで、楽しくおしゃべり登山。
そんなこんなで、38時間くらいでゴール~。ありがとうございました!!
眠気がヤバい
疲れたかっていうと疲れたんですけど、疲れたよりも眠気がヤバい。帰りの車でおしゃべりをしていたつもりが気付いたらストンと寝てる。この状態で車の運転とかしたらヤバいなと思いました。
靴をかえた
ボロボロになった靴。
4年くらい前にトレランに手を出したときに友人に頂いたお下がりの靴を気に入って、同じのを買いなおして履いてたんですが、またボロボロに。靴底も擦り減ってるし、周りも削れています。今回でこのシューズともお別れ。次回からはEXPOで買ったトレランシューズで走ります。
またやりたいか?
といわれれば、現時点では、いやもういいっす、充分っす、と思っています。
しかし思えば初めてマラソン走ったときもそう思ったからな。またやりたくなるのかな。