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Sunset Jesus / Avicii (和訳と解釈)

20代にして世界中のパリピの王として若者を熱狂させ、若くして亡くなった天才DJ、Avicii(アヴィーチー)。

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私も憧れのカリフォルニアに暮らし始めたのですが、カリフォルニアを歌ったAviciiの"Sunset Jesus" がなんだか自分の境遇とも重なるような気がして、アメリカに来て以来ずっと毎日の通勤のテーマ曲としてヘビロテしています。トップに憧れる世界中のビジネスマンはニューヨークを目指し、エンジニアはシリコンバレーを目指し、エンターテナーはロサンゼルスを目指す・・・そんなカリフォルニアに渦巻く夢と挫折、不安と希望。そんな曲の、私なりの和訳と解釈を。


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サンセットジーザス / アヴィーチー

(ヴァース1)
成功するために少し背伸びをしてここにきた
育った街では収まりきらない夢があるんだ
だから愛をくれ、平和を、平穏な気分になりたいんだ
もうやるしかないのはわかってるけど 少し助けてくれ

(ブリッジ1)
カリフォルニア、裏切らないでくれよ
キラキラしてみえるけど 困難ばかりだ
サンセットジーザスが現れた
彼はかつてはウェイターで、今は救世主として路上で小銭を稼いでる

(サビ1)
俺の夢はキラキラしてるけど
ちょっと疲れたし 打ちのめされてる
早くしないと この情熱は年とともに失せていくだろうな
落ち着け 落ち着こう 俺は大丈夫だ

(ヴァース2)
大スターが並んだ看板をバスの窓からみていると
俺があの中の1人に入っていても不思議ではない気がしてくる
だから希望だ、希望をくれ この孤独な旅に希望をくれ
俺はいつかスターになる男だ

(ブリッジ2)
カリフォルニア、がっかりさせるなよ
キラキラしてみえるけど 困難ばかりだ
サンセットジーザスがやってきた
彼はかつてはウェイターで、今は救世主として路上で小銭を稼いでる

Sunset Jesus / Avicii

(Verse1)
Try'na set myself up for the win
Some people got a dream that's so much bigger than the town they're in
So give me love, give me love, give me peace, give me peace of mind
I know that there's an ought to a start and I need a little help with mine

(Bridge1)
California, don't let me down
Seems so golden, but there's struggle all around
Sunset Jesus, came to me
He once was a waiter, now he's a savior making money on the street

(Chorus1)
My dreams are made of gold
My heart's been broken and I'm down along the road
But I know, my dreams keep fading till I get old
Breathe for a minute, breathe for a minute, I'll be okay

(Verse2)
Staring at the billboard from the bus
Looking at the faces, thinking that could be anyone of us
So give me hope, give me hope, give me hope on this lonely ride
Cause I know one day, I will be the one in the sky

(Bridge2)
California, don't let me down
Seems so golden, but there's struggle all around
Sunset Jesus, came to me
He once was a waiter, now he's a savior making money on the street

英語詩は以下から引用しました。
Avicii – Sunset Jesus Lyrics | Genius Lyrics

解釈

詩的な表現というのは捉え方が難しくて、ちょっとggってみても色んな解釈が出てきます。

洋楽翻訳☆お味噌味 - オリジナル歌詞和訳の妄想旅行へ /【歌詞和訳】Sunset Jesus / Avicii - サンセット ジーザス / アヴィーチー : 洋楽翻訳☆お味噌味 - オリジナル歌詞和訳の妄想旅行へ
FISH FROM PAKISTAN WATER / 【和訳】Avicii - Sunset Jesus
ケニー・シュロフのブログ / Aviciiの名曲「Sunset Jesus」を深堀してみる
leoyyyy / Avicii-Sunset Jesus和訳|leoyyyy|note

いやー、どれも良いですね。こういうのは受け取り側が受け取りたいように受け取れば良いのですが、そもそも "Sunset Jesus"というのは「夕焼けのイエス」と直接訳すよりは、アヴィーチーが住んでいたロサンゼルスにある Sunset Blvd という通りの路上でイエスの恰好をしていた路上パフォーマーが "Sunset Jesus" と呼ばれていたことを踏まえると良さそうです。名物的な人だったようで、ロサンゼルスといえば、の Snoop Dogg が彼を見かけた時の動画を残しています。


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近寄ってきた彼にスヌープが20ドル渡そうとするのを、いやちょっと挨拶に来ただけだから、と断っていますね。彼は俳優を目指してロサンゼルスにやってきて、ウェイターをやって日銭を稼ぎ、いまは路上パフォーマーとしてお金を稼いでいる、という噂があって、これがブリッジ後半の "Sunset Jesus, came to me / He once was a waiter, now he's a savior making money on the street " の部分ですね。俳優としてスターになる夢はかないませんでしたが、単なるホームレスや物乞いでもなく、路上パフォーマーをやっている姿に無念や敗北や哀愁のようなものを感じつつも、地域に溶け込んで愛されながら暮らしている Sunset Jesusにインスパイアされてつくったのがこの曲、と考えると話がつながってきます。

ストックホルムから夢を抱いてロサンゼルスにやってきたアヴィーチーが、まだ成功するかどうかわからなかったころの不安な気持ちを、Sunset Jesusというモチーフを通して語っている…というわけです。

若きアヴィーチーもサンセットジーザスも、自身が育った街では叶えられない大きな夢があって、それを実現するためにロサンゼルスにやってきた。もうやるしかないのはわかってるけど、不安な気持ちに押しつぶされそうなときもある。同じように夢をもってやってきたけどスターになることはなく、路上パフォーマーをやっているサンセットジーザスに、自分の将来が重なってみえたりもしたのでしょう。自分もああなりそうな気がして不安で、焦る。うまくいかないことが続いて年をとっていけば自分も情熱を失っていくだろう、、、いや、そんなことはない、落ち着いて、深呼吸をして、自分はそうならない、大丈夫だと言い聞かせる。成功した大スターをみても、自分とそんなに違うわけではない、いけるような気がする。でも不安。でもやるか。みたいな。

そういう曲だと思って聴いています。

その他の英語の参考文献
What does "Sunset Jesus" by Avicii mean? / https://www.popsongprofessor.com/blog/2015/10/05/what-does-sunset-jesus-by-avicii-mean
Songfacts / https://www.songfacts.com/facts/avicii/sunset-jesus
Kevin Short, West Hollywood’s ‘WeHo Jesus,’ Dies at 57 / https://variety.com/2018/biz/news/weho-jesus-dead-dies-kevin-short-1202652951/