コロナ禍でマラソンやトレイルのレースは軒並み中止だし、やるのかな~どうなのかな~とヤキモキするより自分たちでやっちゃえばよくね?ってことで、茅ヶ崎海抜ゼロメートルから富士山山頂までの往復100マイルを走って行って帰ってきたので記録など。40時間160kmの、イカれた大人の遠足です。
発端
2010年に湘南国際マラソンの完走を目指してゆるっと結成された茅ヶ崎のジョギングサークル #chiga_jog 、当時は10km走ったというとスゲー!とか称え合ってたんですが、最近は100マイル(160km)のフィニッシャーもチラホラ。
自分たちで100マイルの草イベントやろうぜ、という話はいつからだったかたまに話題になっていて、コース候補として箱根外輪3周、伊豆から城ケ崎までの相模湾沿岸トレースとかが挙がってたところ、茅ヶ崎から富士山頂までちょうど80kmくらいだから往復で160kmになると気付いてしまった人が。
いつかやりたいねーといいながら、日程合わせるのも実際やるのも色々大変だしなーと思っていたうち、このコロナ禍でエントリしたあのレースもそのレースも軒並み中止、そしてやるのかやらないのかよくわからないが休みであることは決まっているオリンピック休暇による4連休。ここでやるでしょ!ということで決行しました。
コース
ベースはGoogle Mapで茅ヶ崎海水浴場と富士山頂を結ぶと出てくるルート。
やると決めてから、前々週に一人で茅ヶ崎~新御殿場口を試走、前週に御殿場ルートを試走してきました。山北あたりの246は歩いては通れないことがわかったので、そこのところは旧道に迂回するように修正。また分岐してわかりにくいところはできるだけ道なりになるように微調整。
気持ち的には海沿い区間、二宮大井町区間、246区間、御殿場区間、富士山区間、という感じに分かれます。海沿い区間から御殿場区間はロードで、富士山だけトレイル。御殿場ルートの下りは、大砂走にはつらいイメージしかなかったので5-7合目間はできれば登山道を下りたいと思ったのだけど、山小屋の方にきいたらそれはマナー的にあまりよろしくないようで、大砂走を下ることを決意。
スケジュール想定
富士山はより安全な日中に、ロードはより涼しい夜間になるように。
2021/7/22(木)(祝日・海の日)
17:00 サザンビーチCスタート→二宮→山北
A1:山北ファミリーマート(35km)
2021/7/23(金)(祝日・体育の日)
6:00 新御殿場口(標高1440m/70km)
A2:大石茶屋(6:00からうどん食べれる)
12:00 富士山頂→御鉢巡り一周(標高3776m/84km)
16:00 新御殿場口
2021/7/24(土)
4:00 サザンビーチCゴール(164km)
コンビニでビールを買って健闘を称え合いながら日の出(4:45)をみたら解散
スタート・海沿い区間
というわけで予定通りの17:00、 #chiga_jog のゆかいな仲間たちの激励を受け、ANKとANDさんとKKさんと私、途中離脱予定のMTMさんとの5人で茅ヶ崎海水浴場を出発。
ちなみに全員100km以上のレース完走経験者で、年齢的にもトレイル経験的にも私が一番ヒヨッコです。
茅ヶ崎のスタートから平塚、大磯、二宮までの海沿いは慣れた道だし、まだ元気なので余裕のジョグ。
二宮大井町区間
二宮で線路を北側に越えて住宅街を北上し、ヒトケの少ない山間部をアップダウンしながら北上して最短ルートで246を目指す。
だいたい固まって走って適当なところでコンビニに立ち寄る、という感じで進んでいて、二宮こえた中井町のコンビニの後はしばらくコンビニのない山間部に入ります。試走した際にここのアップダウンでもう嫌になった頃に自販機が出てきてメロンソーダの缶ジュースを飲んだのを思い出して、「次は嫌になった頃に自販機が出てくるのでそこエイドで」といって進んでいたところ、先頭の人がそこにいない。まあどこかにいるだろ、と思って進んでいたがいないまま道が分岐するところまできちゃう事態が発生。はぐれちゃったなと思って連絡したところ、まあまあ近くのコンビニにいることがわかって無事に合流。この辺りで21:00くらい。
以降、コンビニごとに次のルートを確認し、分岐のある区間は固まって移動して道なりでOKなところまできたら、あと何キロくらいでこのコンビニがこっち側に出てくるからそこで合流ね(例えば、「あと5、6kmで右側にセブンがあるからそこで」)、とブリーフィングする運用が定着。
246区間
ここは大きなトラックがビュンビュン通る脇の歩道を進む区間。昼間に試走した時は左側に箱根の山々ときれいな形の矢倉岳なんかを拝みながら走ったんですけど、真っ暗で何もみえない。歩道はあれど藪に覆われたところもありました。246は自動車専用のバイパスになる区間があるので、そこでは迂回して旧道へ。このあたりで夜の23:00くらい。
暗闇の山道を進みながら、夏休みっぽいね、スタンドバイミ―っぽいね、と語り合う平均年齢40後半のおじさん達。
御殿場区間
さみしげな山間部を抜けて、駿河小山あたりからまた町になってきます。明後日から開催されるオリンピックの自転車ロードレースのコースになっていて、応援幕などが目立つ。御殿場市に突入した辺りで夜中の2:00過ぎくらい。
このあたりも日中だとこれまで通ってきた山がみえて景色の良い箇所もあるんですけど真っ暗で何もみえない。
さらに富士山が近付いてくると、暗闇の山頂付近に富士宮ルートと吉田ルートを登る人たちの明かりがみえてきます。
滝ヶ原駐屯地の横にあるセブンイレブンが富士山前のラストコンビニ。ここから五合目の新御殿場口をつなぐ富士山スカイラインは単調な舗装道路で、10kmを延々と800mのぼる難所です。
この辺りで夜が明けてきて、鹿がキュンキュンいいながらこちらをみていたりしました。
朝日に照らされる赤富士に向かって、走らず淡々と2時間くらい歩く。この富士山スカイラインは、翌日に行われるオリンピックの自転車ロードレースでは水ケ塚側から登ってこっちを一気に下るようです。
富士山区間
予定より少し遅れめで、朝7:00頃に五合目到着。既に若干のやり切った感。
日差し対策に日傘をもってきた人。その発想はなかった。
大石茶屋でうどんやカツ丼をいただいて準備を整え、スタートからご一緒してきてここで離脱するMTMさんに見送られながら、意気揚々と富士山に突入します。
しかし既に徹夜で70km移動していたところに延々と続く砂利地獄。
富士登山中に、別便の電車とバスの始発できたKSさん、HLさん、SNさんと合流することになっています。始発でくると御殿場口到着が8:15なので、既に疲れているこっちが先に登り始めても登山中に合流できる想定です。合流できずに山頂まで到着しちゃうも有り得るかもなーと思ってたら速攻合流できた。五合目から六合目までの間で追いつかれた。
私は今回の道中、ここの区間が一番つらかった。試走として先週も登ったので2週連続というか5日ぶりの御殿場登山で、なんでこんなことやってんだろ感、きました。
もうやめたい感がピークの時に合流した追走合流組のKSさんは、帰路は一緒に走る説もあったんですが、やっぱり帰路はやらないし富士山だけやったら御殿場の駅前でビールのんで帰るわ、という囁き。なにそれめっちゃ楽しそう。
しかしまあ帰路はさておいて、せっかくだから少なくとも茅ヶ崎から富士山頂まではやらないとな、と心を無にしてとにかく登る。
雲上のカフェ・七合目の砂走館でラーメンを食べたら、元気回復。一気に頂上へ。
頂上に着いたのが想定2時間遅れの14:00くらい。
いやいや、がんばればいけるだろうなと思ってはいましたけど、本当にきました、茅ヶ崎の海抜ゼロメートルからの茅ヶ崎ゼロ富士。または茅ヶ崎海水浴場のシンボル「C」モニュメントからの富士山頂上 "C to Summit 100mile" 略してC2S。
頂上では、追走合流組のHLさんが今年還暦を迎えられたので、赤いバフの贈呈式を行うなどしました。
帰路
そんなこんなで帰路。大砂走をぶっとばして五合目まで下りてきたところ、まさかの雨降り。ここまで富士山込みで90km近く移動してきてそれなりに疲労感もあり、これからの帰路でもし夜中雨とかだったら普通に命の危険を感じるやつです。五合目トレイルステーションの水場で足を洗うなどしながらどうしようか相談して、私は正直ここでやめて御殿場駅前でビールのむのも良いなと思ってたんですけど、まあとりあえず行ってみるか、ということに。
五合目バス停を背にスカイラインに向かうおじさん達。もう疲れたしゆっくりいこうね、といっていたところ、腹が減り過ぎて早くコンビニに行きたいANDさんが下りとはいえここにきてキロ4分のぶっとばし。まじイカれてる。
滝ヶ原駐屯地のコンビニで腹を満たして帰路へ再出発。このあたりで19:00くらいでしたかね。
もう暗くなり始めて疲労も眠気も積もって二晩目に突入、このあたりから口数も減り始めます。ちゃんと椅子に座って食事がしたいし、早く寝たい。
帰りはほぼ下りなので、ヘロヘロの状態でも思ったより早いですね。35km地点の山北ファミリーマートで夜中の0:30くらい。
コンビニに寄った際、眠気がたまらず駐車場の隅っこに目立たないところを探して寝る人。大人としてどうかと思う。
心を無にして淡々と進み、夜が明け始めてきた朝4:00ころに二宮あたり。
なんとここで #chiga_jog 部長が茅ヶ崎から大磯まで自転車で迎えに来てゴールまで伴走してくれるというサプライズ。ありがとうございます!!
なんだかんだで朝8:00くらいに茅ヶ崎海水浴場に帰還。
HLさんが用意してくれたビールで乾杯。
互いの激走を称えガッチリと握手を交わすおじさん達。
迎えに来てくれた皆様と記念撮影。
ありがとうございました!!
というわけで
めちゃ面白かったです。これからは茅ヶ崎の海から富士山の頂上を眺めるとき、あぁここからあそこまで走って行って帰ってきたことがあったなぁ、と思うことでしょう。
私を含めた4人中3人のGPS計測では100マイル(160km)超えたんですが、1人は100マイルいくかどうか微妙な感じでした。計測も何が正しいかわからないですけど、事前にGoogle Mapで調べていた感じでもそのままだとギリギリ足りないも有り得るかもと思ってお鉢巡りをするつもりだったところ、今回はお鉢巡りをやりませんでした。
やっぱり富士山頂でお鉢巡りをして間違いなく100マイルを超えるのが正式ルートかなあと思うので、やり残した感があるといえばありますね。次回があるかどうかわかりませんが、あればお鉢巡り込みでお願いしたいと思います。
"走り続けるための理由はほんの少ししかないけれど、走るのをやめるための理由なら大型トラックいっぱいぶんはあるからだ。僕らにできるのは、その「ほんの少しの理由」をひとつひとつ大事に磨き続けることだけだ。" 村上春樹