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東京マラソン2016レポート。あるいは週2回10分のトレーニングでサブ3.5を達成する方法

初めての東京マラソン、満喫してきました

私もわりと世の中の出来事に対して斜に構えるところあるし、湘南国際マラソンに思い入れがありすぎて湘南国際だけがマラソンだ、くらい思ってるので、東京マラソンなんて別にいちおうエントリするけどどうせハズれるだろうし、別にハズれてもいいよ?悔しくないよ?くらいに思っていたんですが・・・

良い大会ですね、東京マラソン!! すっかりスキになっちゃいました。運営もいろいろ大変だと思いますが、この大会を10年も続けてきたのは素晴らしいことだし、これからも続けていってほしいと思います。そんなこんなで、この大会についてちゃんと知りたいと思って、思わず本よみました。

東京マラソンの舞台裏―東京を3万人が走るまで

東京マラソンの舞台裏―東京を3万人が走るまで

東京マラソン (ベースボール・マガジン社新書)

東京マラソン (ベースボール・マガジン社新書)

いやーこの本も面白かった。東京マラソンを実現するまでの舞台裏。いろいろ興味深い。

  • 無謀ともいえる東京マラソン構想は、当時の都知事、石原慎太郎氏の強力なリーダーシップのもとに実現した。
  • 独特の十字形のワンウェイのコースは、できるだけ短い時間で交通規制を効率よく順に解除していけるように巧みに練られた結果。
  • 開催時には、コース周辺の道路標識を変えている。
  • コースは、基本的に地下鉄の線路上を走っている。これにより、道路を閉鎖していても駅の出入り口を地下通路として歩行者が行き交いできるようにした。

こないだ読んだUTMFの開催裏話本も面白かったですが、こういうの面白いですね。

湘南国際マラソンも興味深い裏話いろいろあるだろうから、本にしてくれたら良いのに。東京マラソンと同じタイミングで始まってる理由とか、江ノ島スタートから大磯スタートに変わった経緯とか、あのわざわざ終盤でいちど大磯プリンスを通り過ぎさせてから戻ってこさせるドSなコース設定とか、30kmになった年の話とか、APECの関係で開催月を遅らせた年の話とか、ドローン墜落騒ぎとか、不審車騒ぎとか。

アイアンマンジャパンの開催裏話も面白そうですけど、こっちは権利関係がドロドロしすぎていて聞くの怖い気もしますね。

目標と結果

立てた目標は

  • 表目標 :ネットで3:15以内
  • 裏目標1:グロスでサブ3.5
  • 裏目標2:総合順位で上位10%以内

結果は以下。
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目標の上2つは撃沈ですが、最後の1つはギリいけてたっぽい。

ちなみに、イーブンペースか後半に向けてあげてく走りこそ上級者だと思って、そういうクレバーな走りを目指しかけたこともありましたが、そこを目指すのはやめました。クレバーなんかクソくらえです。

トレーニング内容

昨年末にフル走ってから東京マラソンまでに何するのが効果的かと考えたところ、後半でヒザとか足首とか痛くなるのがなければもーちょっと粘れるんじゃないのと。 で、接骨院とか行きたくない派なんですけど、やっぱ後半どーしてもあちこち痛くなるので、初めて行ってみたんですね、接骨院に。で、いろいろ診てもらったら、要するに筋肉も関節も固いんですよ、と言われまして。ストレッチとかちゃんとやってないでしょ、と。心当たりありまくりで。走ってて筋肉がちゃんと伸びてなかったり関節が動けてなかったりするから、変に引っ張られたり擦れたりして痛みが出るんですよと。すごく納得してしまいまして。 で、東京マラソンまでの期間は、ランは短時間でトレミルで効率良く追い込みつつ、ヨガとかバレトンとかコンディショニングストレッチとかダンスとかのクラスにでて、柔軟性の獲得とボディコントロールと体幹のトレーニングの方に重点をおいてみることにしました。

というわけで、東京マラソン前の3ヶ月間の規則的なラントレは、

  • 10分間のトレミルビルドアップ坂練(斜度10%で、時速10kmで5分→時速11kmで3分→時速12kmで2分)

を週2回やって、以上です。たかが10分ですが、この10分でもういいってくらい追い込めます。距離的には1回あたり1.7kmくらいなので、週3.5kmくらい、月間走行距離は20kmくらいですね。

今回も後半にむけて脚が動かなくなってきましたけど、足首や膝の関節や腱の変な痛みはなくて、純粋に筋肉を限界まで使えた感は得ているので、とりあえずこの短時間追い込みランとヨガ&ダンスのコンボ路線をベースとしたトレーニングを続けてみるつもりです。

ちなみにストレッチや体幹トレーニングを重視する青学メソッド、すごく説得力あるし効果ありそうですけど、やっぱりちょっと飽きるじゃないですか。

青トレ: 青学駅伝チームのコアトレーニング&ストレッチ

青トレ: 青学駅伝チームのコアトレーニング&ストレッチ

ストレッチや体幹トレーニングっていっちゃうとなんか地味な感じですけど、ここでいってる動きって、要するにヨガやダンスの動きだと思うんですよね。というわけで、基礎トレやるぞ!と思っちゃうと飽きますけど、ヨガやダンスとしてやると楽しいし習慣化しやすいと思いますよ、という話です。

レースレポート

国際大会を銘打っているのは伊達じゃなく、事前受付からレース中、ゴール後まで、いろんな国の人が自然と入り乱れていて、世界都市トーキョーを感じました。ロンドンにしろニューヨークにしろ、先進国の大都市といわれるところには大きなマラソン大会があるわけで、こういうマラソンを開催することはとても意義のあることだなと、思いました。

事前受付のEXPO。
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異常な完成度の等身大フィギュア。ふくらはぎの筋肉の質感とかすげーリアルで、さいしょ横からみたときは完全に人がいると思ってた。
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絵馬があったのでとりあえず書いたった。 f:id:ysmatsud:20160303215825j:plain:w400

当日はスタートエリア内への持ち込みがすごく厳しくて、空港バリの荷物検査。ゲート入ってから食べようと思ってたヨーグルト没収されました(>_<) f:id:ysmatsud:20160303215955j:plain:w400

タイムの出やすいご褒美コースという噂もありましたが、最終盤のアップダウンは鬼。もう最終盤だし最後の力を振り絞ってペースアップ、したところで地味な登りが現れて心を折られる、という試練を何度も繰り返しました。最後1kmのとこで今度こそと思ってペースアップしたときに立ちはだかった地味な登り、あの絶望感はやばかった。

台湾アイアンマン2016のコースを推察してみた

日本のアイアンマンレースの中止が発表され、最も身近なアイアンマンレースは台湾アイアンマンになりました。

ap.ironman.com

台湾アイアンマン、開催時期も場所も昨年までとは変更され、10月開催というスケジュールは発表されていますが、コース等についてはまだ発表されてないようです。

ap.ironman.com

現時点(2016/1)で得られる情報からコースを推察してみました。

舞台となる島

舞台となるのは、台湾本島の西にある離島、澎湖諸島。青い海と珊瑚に囲まれた複数の島から成る南国リゾートで、日本でいう沖縄のような感じでしょうか。

welcome to Penghu County Government world wide web

日本から航空直行便はなさげで、台北乗り換え必須のようです。ちょっとめんどくさいですね。 南東にあるいちばんデカイ島が澎湖島、その北の白沙島、西の漁翁島(西嶼島)までぐるっと橋で結ばれています。

Facebook公式アカウントで以下のポストがされています。

Become an IRONMAN by the first International five-star hotel in the most beautiful island!The Official Hotel, Four...

Posted by IRONMAN Taiwan on 2015年12月30日

どうやら選手受付などの会場はシェラトン内(か、その近く?)になり、ゴールもシェラトン横らしいです。

シェラトンがある澎湖島西側の湾辺りが繁華街のようですが、ビーチがあるわけではなさそうなので、ハワイのワイキキというよりは沖縄本島国際通り石垣島の美崎町みたいな雰囲気なんでしょうか。

コース推察

スイム

せっかくなので珊瑚の海を泳ぎたいところですが、風の強い島らしいので、できるだけ風を避けてスイムコースは港内にとることになるんでしょうかね。だとすれば、sheraton辺りの港からスタートなんでしょう。

バイク

試しにgoogle mapで橋でいける範囲を端から端までつないでみると...

これで約44km。 バイクでは180kmとらないといけないわけですから、端から端までいっても2往復以上必要です。 アイアンマンレースで短い距離を何往復もさせるというのはできるだけ避けてくるでしょうから、これは一周ぐるっと取って、あとは可能な範囲で周回いれてくるという感じになるでしょうか。 島と島とを結んでいる橋は、珊瑚の海の上を走るような、宮古島の伊良部大橋のような感じっぽいですね。ナイスですね。

ラン

ランは、本島内を適当に周回する感じになるでしょうか。

ところで

この澎湖島、道は比較的フラットっぽいですが、海に囲まれているため風が強く、フェリーや航空便の欠航も日常茶飯事で風島ともよばれているとのこと。なかなかハードなレースになりそうです。というかそもそも航空便がつかなかったり風波で荒れてスイムスキップとかの可能性がそれなりにありそうな気もしますが大丈夫なんでしょうか。わざわざ外国までアイアンマンレースやりにいって自力で完走できませんでしたならまだしも、出走できなかったっていう事態は悲しすぎますね...。

なにはともあれ、エントリフィが $50 安いearly bird entryは今月中まで。
さーどーする!

で、FinTechってなんなの

  • 明確な定義はない

  • 「FinTech」という言葉自体は昔からあった。銀行のバックエンドで動いていた勘定系システムとか、全銀システムとかATMネットワークとかクレジットカードネットワークとか、そのへんのコンピュータ技術は昔からFinTechとよばれていた。

  • ここ最近、モバイルやIoT、ビッグデータ、AI、P2P、等のコンピュータ技術を駆使した新しいタイプの金融系サービスと、その担い手としてのベンチャー企業が注目を浴び、資金を集めるようになってきた。このような流れを大雑把に捉えようとする言葉が「FinTech」。

  • 新たな潮流としてのFinTechを、上述したような従来型のFinTechと区別して「FinTech2.0」という向きもあるようだ。web2.0を思わせる軽薄なバズワードっぽさが出るし、従来型のFinTechと区別して議論した方がわかりやすいとも思うので「FinTech2.0」というのはアリだと思う。Web2.0という言葉が流行りまくった時も、「このウェブサービスは1.0か2.0か」なんていう不毛な議論をするのが面白い暇つぶしになった気がしますが、FinTechで同じような(不毛な)議論をするのも面白そうですね。

  • どこからどこまでがFinTech技術、どこからどこまでがFinTech企業、という境界を引けるものではないが、 大雑把な独断と偏見によるとFinTechどまんなかの三本柱は「仮想通貨」、「決済」、「会計管理」

仮想通貨

決済

  • 主体:ペイパル、スクエア、Stripe、アップルペイ、アンドロイドペイ、アリペイ、メタップス、BASE、mCASH、WeChat、PowaTag、等
  • 技術要素:モバイル、NFC、BLE、IC、RFID、HCE、O2O、おサイフケータイ
    • ペイパルが牛耳っていた安定のオンライン決済の世界にヒョコっとイノベーションのジレンマを超えてきたスクエアが切り込み、一気に群雄割拠の戦国時代に突入したイメージ
    • ベンチャー各社も着々と特許出願を進めているようだ。このジャンルの新しい公開公報がけっこうでてくる
    • 多様なモバイル決済の手法では中国が先行か?数年後、気がついたらモバイル決済の世界は中国企業の特許だらけでした、という未来はありえるような気がしなくもなくなくなくなくなくない?

会計管理

  • 主体:マネーフォワード、Zaim、freee、マネーツリー、等
  • 技術要素:モバイル、PFM、ビッグデータ、ディープラーニング、マシンラーニング、AI
    • 日本におけるPFM(家計簿)の世界では既に天下統一した感のあるマネーフォワードですが、まだまだ何が起きるかわかりません。つうかあんなにインターネット経由でなんでもかんでもアグリゲートして、情報漏れたら一気にえらいことになる気がするんですが大丈夫なんでしょうか。

FinTech革命(日経BPムック)

FinTech革命(日経BPムック)

余談1

お金のデザインとかアルパカとか、融資とか投資とかの判断をディープラーニングやマシンラーニングを駆使してAIでやろうというロボ・アドバイザーみたいなのも大きな柱のようなんですけど、お金のない一般ピープルには縁がなくて正直あんまりピンとこないですね。すいません凡人で。

余談2

特許屋というのは何やってるかよくわからないと思いますが、技術ウォッチャーでもあります。

FinTechについてggってみるとまさに群盲象を評すようなもので、あるサイトでは「FinTechとはオンライン決済のことじゃ」、あるサイトでは「FinTechとはビットコインのことじゃ」、あるサイトでは「FinTechとはブロックチェーンであり、ブロックチェーンは管理者不在といっている連中がいるがブロックチェーンが本来管理者不在であるわけではなく、ビットコインはブロックチェーンの極端な実装例のひとつに過ぎないbra,bra,bra…」などといっており、さっぱりわかりません。

さっぱりわかりませんが、さっぱりわからないなりに本読んだりggったり周辺特許や商標など調べてみたりしたので、なんとなーくの概観をとりあえずまとめてみました。

東京マラソンのコースを試走してみた

東京マラソンの参加抽選に初めて当たりました。毎年ハズレ続けていて、べっ、べつにそんなに走りたくないし!板橋走るし!みたいなことを思ってきたんですが、いざ当たるとテンションあがりますね。

正直どうせハズレんだろと思っていたので走ることをあんまり真剣に考えてなかったんですが、いざ当たってきいてみると、人数多いけど道広いからそんなに走り難くもないし、ほぼフラットでPB更新する人もけっこういるらしい。

そうですか。それではせっかくなので本気モード、コースをトレースしてシミュレーションしながらゆっくりとLSDで試走してみました。

Googleマップにコースがありました。さすが日本最大のランニングイベント。
新宿の東京都庁前からスタート、赤い線を辿って黄色い丸の数字が距離、東京ビッグサイトでゴール。iphoneを抱えてこれをみながら走りました。走ってみた感じ、気持ち的にも距離的にも、コースはざっくり、東海道線(山手線)の西側を走る前半部分と、東海道線を越えて東側を走る後半部分とに分かれます。

独断と偏見によりパート分けすると以下のような感じ。
前半部分:
・0-10km(東京都庁-日比谷公園)
・10-21km(日比谷公園-品川駅前-日比谷公園(往復))
後半部分:
・21-24km(日比谷公園-隅田川)
・24-32k(隅田川-浅草-隅田川(往復))
・32-36km(隅田川-佃大橋)
・36k-ゴール(佃大橋-東京ビッグサイト)

前半部分

0-10km(東京都庁-日比谷公園)

チョコチョコ緩いアップダウンがありますが、全体として下り基調な印象。

スタート地点の東京都庁前。私としては弁理士会の祝賀会をやるところという印象。

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新宿東口に抜けて、見慣れた繁華街を通りながら東に向かいます。おーここ封鎖して走るんだ、スゲーな東京マラソン

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しばらくは前方に防衛省のアンテナをチラチラみながら走ることになります。

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市ヶ谷。例の釣り堀の前の道も通ります。

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飯田橋駅前を右に曲がる。

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皇居に当たったら皇居沿いを東側に1/3周分くらい。皇居ランナーはホーム感を感じながら走るのでしょう。

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皇居周りの東京駅正面。

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10-21km(日比谷公園-品川駅前往復)

フラット、ストレートのシンプル区間。このへんでは良い感じにエンジンかかってきて気持ち良く走れると思われるが、おそらく楽しいのはここまでw

皇居の端から日比谷公園へ。ここから南に下って品川駅まで行って帰ってくる。

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弁理士試験の口述試験対策で通った新橋ゼミの貸会議室前も通る。

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この辺からは前方に東京タワーをチラチラみながら走ります。

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おお、そしてあれは弁理士試験でいうところの悪魔の塔、いやダーマ神殿ことプリンスパークタワーではないですか。ここも通るんだ。

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品川駅で折り返し。駅前を折り返すのかと思ったら微妙に手前な感じ。

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そういえば霞ヶ関あたりをキレイにコースからハズしてきてるのは、きっと偶然ではないんでしょうね。政治的な何かを感じます。

日比谷まで戻って、ここまでで21km、半分くらい。ここから東に東海道線を越えて銀座方面へ。

後半部分

21-24km(日比谷公園-隅田川)

東京駅東側のビジネスマンには見慣れた街中を走る胸熱区間。

銀座→京橋→日本橋の大通りをズズイっと北に上る。何年か前に休日出勤してるときに職場の窓から大量の人が見えて、なんだあれと思ったら東京マラソンだったことがありましたが、あの道ですね。あの時は自分はマラソンなんてやってなくてやろうとも思ってなくて、完全に他人事でした。まさか自分が走ることになるなんて、思いもしなかったな。

日本橋兜町茅場町を曲がって隅田川を渡る。

24-32k(隅田川-浅草往復)

緩いアップダウンが、本番で疲れ始めてきた脚に地味にキツイと思われる。個人的にこの区間は他に比べてあんまり慣れ親しんでおらずアウェイな感じ。辛抱の区間。

人形町→浜町あたりを通りながら浅草方面へ。 この辺からは前方にネオ東京タワー、もといスカイツリーがチラチラみえます。

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老舗っぽいドジョウ屋。何人か並んでました。いつか入ってみたい。

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浅草駅前の雷門で折り返し。

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例のうんこ。ここまでで27kmくらい。本番ではこの辺から余裕がなくなって周りの景色とか目に入らなくなってくると思われる。

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来た道を戻って隅田川へ。

32-36km(隅田川-佃大橋)

いわゆる30kの壁との格闘になりもうイヤになってくると思われるが、フラットだし、クライマックスに向けて心を無にして英気を養う区間。

銀座駅まで戻って、歌舞伎座の前とかを通りながら築地方面へ。

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築地で曲がるところで35km。この辺では完全に我を失ってトランス状態に入り、コース前方20m以内しか視界に入らず走ること以外に何も考えられないランニングマシーンになっていると思われる。

36k-ゴール(佃大橋-東京ビッグサイト)

ラストステージ。精神と肉体をギリギリまで追い込む勝負の区間。

35km走ってきた脚と精神にズシンとくるといわれる、佃大橋への緩い上り。この上りとともに、クライマックスの幕が上がる。

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月島→豊洲方面へ。なんだか同年代のお金持ちがやたら住んでいるネオセレブの街、豊洲。春海鉄橋という、廃墟マニアが好きそうな廃橋がありました。子供の頃に近所に住んでたらスタンドバイミーごっこをやってたと思う。

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豊洲を抜けて江東区に入り、有明の方に向かい出したあたりで40km。 ここまできたらあとちょっと、なんて気分では全然なく、ここからの2kmちょっとがマジつらいんですよね、わかります。

月間走行距離80kmくらいだけどサブ3.5達成しました

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サブ3.5やるなら月間走行距離300km、少なくても200km、みたいな話をけっこうみる気がしますが、月間走行距離80kmくらいでサブ3.5達成しました。かといって別にラクしたとは思ってなくて、相応のキツいトレーニングをしたと思ってます。

とりあえずラップタイム晒す。

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後半の失速っぷりがだらしないですが、ネットでギリギリ3:29:06です。中上級者を名乗るにはイーブンペースか後半に向けて上げてくレース運びができないとな、と思うので、いまだに「走れるだけ走ってヘバッたら根性で這ってでも進む」というスタイルで戦ってる私はまだまだビギナーだなと思います。後半抜かされまくりました。

しかしサブ3.5やってみてわかったのは、サブ3.5とかサブ3とかの人ってスマートにクレバーに走ってるんだろうと思ってたけど、どうやらそうでもないなってことです。彼らも体のどこかに痛みと不安を感じながら、鼻水垂らしてヨダレを流して、脚を引きづりながら歯を食いしばって這いつくばって、心が折れても、それでも前に進んでるんですよね。そういう気迫の渦中でもがく体験ができてよかった。4時間で走るフルマラソンとは別の世界でした。

これまでのざっくりとした経緯

・ジョギング開始 & 初フルは5年くらい前
ウルトラマラソン(100km)完走経験あり
トライアスロンも何度か
・しかしフルマラソンはサブ4レベルで行き詰まってた感

きっかけ

#chiga_jog では年始に毎年恒例で箱根五区を走るんですが、今年の登りで、時間調整のために後から出発したサブ3ランナーに、あっというまにサササっと抜かれたんですね。この人( @uz_cromagnon )ですけど。いや別次元だわと。で、彼に言われたんですね。練習は距離ではなく、強度だと。これが刺さった。

それまでは私も距離走らないと速くなれないんだろうなあと思ってて、なんとか走る時間を捻出するために、会社帰りに冬場もコートやら革靴やらをパンパンにいれて15kg-20kg程度になったバックパックを背負って20-30kmくらい走って帰宅ラン、みたいなことをやってたんですね。まあこれはこれでキツいしスタミナやマインドの修行になるし面白いから良いんですけど、あんまりフルマラソンが速くなってる気はしなかった。

で、じゃあその彼はどういう練習してるのかっていうと、近所の距離1.5km斜度10%超の山腹のロードを、往復しまくるんだと。へえと思って。いちど一緒にやってみたら、これはキツイわと。これ続けたら、確かに強くなりそうだわ、と。

トレーニングメニュー

というわけで月間走行距離をカウントするのはきっぱりやめました(もともとあんまり気にしてなかったけど)。気にしたのは、一回の負荷をちゃんとかけること、そしてトレーニングを3日あけないこと。しっかりと筋肉を痛めつけて超回復させて、衰える前にまた刺激を入れる、というサイクルを保ちます。

  • 火曜日:トレッドミル坂練ビルドアップ・23分‐30分程度・4kmくらい
    斜度10%設定で、10分間を時速9.5km、次の10分間を時速10km、次の3分間を時速11kmで走って終了、トータル23分のビルドアップ。最後3分間の時速11kmにはもう勘弁してくれっていう感じになります。調子によって時速や時間を変えたりもしますが、だいたいこんな感じ。

  • 金曜日:インターバル・30分程度・7kmくらい
    終業後に着替えて、会社近くの周回1kmの公園でスピ練。 ジョグ1km→1kmダッシュ(3:20-3:50くらい)×5本→ジョグ1km。

  • 日曜日:ロードバイク×ランのブリックトレーニング・3時間-4時間・ランは6-15kmくらい
    日曜早朝、まだ暗い時間に起きて、妻子が起きる前にコソトレ。上述のサブ3ランナーが走ってる山までは私の家からは15kmくらいあって、ランだと行って帰ってくるだけで終わっちゃいますが、ロードバイクでちょっと走るにはちょうど良い距離です。というわけで、トライアスロンの練習を兼ねてロードバイクでいって激坂を登り、ランシューに履き替えて山を2-5往復くらいして、ロードバイクで帰ってくる、というブリックトレーニング。

この週3のトレーニングを延々とこなしてました。というわけで週間走行距離がだいたいトータル20kmくらいなので、月間走行距離はだいたい80km前後です。

そして

とりあえず3.5達成したので一区切りですが、このトレーニングメニューはそれなりにバラエティに富んでいるし、強くなっていくのが実感できているのでまだ飽きてません。このメニューでまだ伸び代があると思っています。

トライアスロンでコナ目指すなら、スイム→バイクのあとのランで3.5やらないといけないわけですからね。ラン単品ではまだ上を、3時間ヒトケタを目指したいですね。

ロードバイクの新しいハンドルポジションを考案しました

ドロップハンドルをつかった、上ハン、ブラケット、下ハンに次ぐ第4のポジションを考案しましたのでご自由にお使いください。

バットマン・ポジション

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なんかわれながらキモイ絵になりましたが、伝わるでしょうかw
手の平をブラケット上部に押し当てるようにして軽く掴み、肘を曲げて前腕部をドロップハンドルに沿うように乗っけます。

メリット

  • 下ハンを超えてDHポジション並に前傾し、空気抵抗を減らすことができる
  • 前腕部分をハンドルに乗せることで支点を確保できる

デメリット

  • ブレーキを握ることができない
  • 長時間になると支点である前腕部分が痛くなってくるかもしれない
  • 拳で空気を切り裂いて流すDHポジションよりは前面投影面積が大きい
  • みためが変

いいたいことはここまでで言い切りましたが、以下、余談です

考案した経緯

  • こないだの横浜シーサイドトライアスロンのバイクパートがすげー向かい風だった
  • レース中に空気抵抗を減らすため、下ハンでできるだけ上半身を低くする姿勢をとった。そしたら速くなった(気がした)
  • でも疲れて持たなかった。徐々に普通の下ハンになっていった
  • DHバーついてる選手が肘~前腕部分に支点を確保しながら前傾で走ってるのがすごくラクそうにみえた
  • DHバーつけようかなとちょっと思い始めた
  • DHバーをつけて得たいことのメリットは、前傾と支点の分散
  • DHバーつけたらどんな感じになるのかなと思って、普通のドロップハンドルで近い体勢をとってみた
  • ↑ああなった
  • 下ハンを超える前傾と支点の分散を確保できた
  • あれ意外といけるんじゃないのこれ・・・
  • →完成

ブレーキ握れないなら危ないよね?

  • 正解。ただし、DHポジションもブレーキは握れず、レース等の限られた場面でしか使い難いことを考えると、同様にレース等の限られた場面では有用であるということでも有り得る

邪道だよね?

  • 正解。ただし、DHバー自体が比較的あたらしいものであり、当初は純粋なバイク乗りから邪道として後ろ指を指されるようなものだったことを考えると、邪道であるからといって試さない理由にはならない

ゴチャゴチャいってないで素直にDHバーつけた方が良いんじゃないの?

  • 正解。

本当に有用なの?

  • わからない。思いついたばかりなので、何度か試してみてみようと思います。

なぜ「バットマン」か

  • バットマンを良く知らない私が、なぜかバットマンはこういう両肘を曲げたスタイルで空を飛ぶと思っていたから。改めてggってみたら別にこんな飛び方しないみたいですね…

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英数字を半角で書くか全角で書くか問題

ソフトウェアエンジニアの世界では英数字は半角で書くのが当たり前である一方、例えばインターネット上での記事の文章等には英数字を全角で書いているものが散見されます。前者にとって、後者は違和感がある以上に「バカに見える」ことがあり、しばしば話題にあがります。

英数字を半角で書くのが当たり前なソフトウェアエンジニアの世界と、全角で書くのが当たり前な法律の世界とをコウモリのように行き交いする特許の世界に身を置く者として、この問題について書いておくことにしました。

結論からいうと、文化の違いなんでどっちが正しいということはないという話です。

なぜソフトウェアエンジニアの世界では半角なのか

意味が同じなら容量が小さい方が正義だから

半角だと1バイト、全角だと2バイトなので、「1」と「1」とは表現したい意味が同じだとしても、データ容量が倍になります(文字コードにもよるけど)。ソフトウェアエンジニアは、容量や処理負荷をできるだけ下げるように訓練され日々工夫することが当たり前になっています。また、複雑なプログラミング中の冗長な処理や重複した処理を探し出し、少しでも簡略化することを日常的に考えている彼らにとって、明らかにリファクタリング可能な全角数字をそのままにしておくなんて、単なる誤りでしかないのです。彼らは、FizzBuzzをいかにエレガントに書けるか、複雑なプログラムを一行で表現するワンライナーなどに異常なほどの情熱を燃やし、そのことに美学を感じています。これは、ハードウェア性能が潤沢にある状態で2バイトが1バイトになることによって容量圧迫や処理遅延の改善に現実的に寄与するかとは必ずしも関係しません。実利を超えて、もはや習性として、容量が小さく、処理負荷が小さいことは彼らにとって正義なのです。

余談ですが、日本インターネットにおいて、かつては全角6バイトの「(笑)」として表現していたことを半角1バイトの「w」として表現するようになったのは、こういうエンジニア魂から生まれた文化だと思っています。

プログミングの世界で数字と数値は別の意味を持つから

数字としての1と数値としての1とは、プログラミングの世界では全く違う意味を持ちます。プログラミングの世界でのデータには型というのがあって、数字(文字)と数値は別物として扱われるため、別物として扱わないとエラーやバグを引き起こすことになります。例えば、プログラミング上での

251+38

という演算処理は、数字データとして扱うなら出力は「25138」という文字列になりますし、数値データとして扱うなら出力は「289」という数値になります。ちなみに、どっちかだけ数字、どっちかだけ数値とするとこの処理はエラーになります(言語にもよるけど)。

この扱いの違いは、しばしばバグとして現れます。

バグのないプログラムというのは存在しませんので、ソフトウェアエンジニアにとってバグの原因を追究するのは日常業務なわけですが、バグを追っていたら、その原因が数字と数値をごっちゃにしていることだった場合、プログラマーの初歩的なミスとして「あ~あ」みたいな感じになります。また、バグを追っていたら、明らかに文字である全角数字を(ときに直打ちで)数値として代入しようとしている箇所を発見して脱力した、という経験はソフトウェアエンジニアなら大体誰もが持っています。このような経験から、ソフトウェアエンジニアは全角数字を悪とみなしているのです。

プログラミングの世界で、わざわざ全角英数字を使わないといけないシチュエーションというのは、ほとんどないでしょう。このように、ソフトウェアエンジニアにとって全角英数字というのは普段扱わない特別な情報であり、これを扱うことに対して違和感があります。さらに、数値と数字をごっちゃに扱うこと、まして数値としての情報をわざわざ全角数字で表しているものを、「バカっぽい」と感じるのです。

では、なぜ法律の世界では全角なのか

もともとのタイプライターの名残り

いまでは弁護士や弁理士が文書をつくるときにパソコンでワープロソフト等を使って自分で打つのは当たり前ですが、一昔まえには、法律事務所や特許事務所にはタイピストという人が常駐していて、弁護士や弁理士手書きで書いた文を和文タイプライターで打って正式な法律文書をつくっていました。こういうタイプライターで打てる文字というのは、すべて全角だったのです。半角は存在しませんでした。だから、数字だろうが英字だろうが、全角で打たざるを得なかったのです。

その後、パソコンが普及し、全角と半角との双方を一文書の中で扱えるワープロが登場するわけですが、従来の法律文書というのは前述のようになんでもかんでも全角でした。

法律実務の世界というのは、基本的に前倣えの世界です。名文化された法律は絶対であり、判例は神様であり、偉い学者の学説は聖書です。いち法律実務家が、これらを無視して逸脱した理論を構築するのは、例え筋が通っていても、法律や神様や聖書による裏付けがなければ、少なくとも実務の世界では「根拠のない独自の理論だ」として一蹴されるのです。彼らにはこういう世界観があります。

このため、例え形式的なものであるにしても、従来の法律文書で全角で扱っていて何事もなかったことを、パソコンが普及したからといってわざわざ半角に変えるような特別なことをするのは、法律実務の世界では無駄な冒険なのです。

しかも、その後、インターネットが普及して例えば特許の世界でもオンライン特許出願ができるようになり、専用回線を通じてデジタル文書による特許出願書類の提出が認められるようになりましたが、この文書内に半角文字が入っているとエラーとして弾かれて提出できなかったようです。それでもどうしても数字や英字を半角文字として打ちたい場合には、半角文字の間を半角スペースで埋めて、例えば「patent」を「p a t e n t 」のように打てば通っていたようです。今考えるとすごいナンセンスですが、そういう制約に縛られた時代があったのです。

このような歴史から、法律の世界では、ソフトウェアエンジニアの世界とは逆に、文書中にわざわざ半角を打つメリットがなかったのです。

現在でも、新聞会社等がやっているインターネット上でのニュースサイトでの記事中でURLを示す英字が全角で書かれていて、アホじゃねーのと思うことがありますが、これは新聞社や出版社などでも、同じような理由から歴史的に文字を全角を扱っていた名残なのです。

このように日常業務的に全角英数字を打つ世界の人は、ふだんのブログ書くときなんかも自然と全角になるという話ですね。私のこのブログも、なんだかんだソフトウェアエンジニアから特許業界に転職した直後の2007年頃から書いていて、最初の方のエントリでは半角英数を使ってますが、特許の世界に入り浸るに連れてだんだん全角が増えてきます。

というわけで

それぞれに理由があって、これはもう別に、どっちが良いとか悪いとかいうわけじゃない、宗教論争というか自転車置場の議論の類ですね。

ただまあ、私見ですが、特許明細書で地の文の英数字を全角で書くのはもう慣れましたけど、先行文献としてURLを記載することがありますが、ここを全角で書くのはナンセンスで半角で書くべきだと私は思います。また、明細書中の英字略語には括弧書でフルに書くというのが慣例ですが、これも地の文ではまあ例えば「PC」と全角で書くとしても、括弧書の中は全角で「PC(personal computer)」とか書かずに半角で「PC(personal computer)」と書くのが自然だし読み易いし正確だと思いますけど、どうですかね。